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はじめまして。カニカマの生みの親です

いつもカニカマがお世話になっています。
1972年、世界で初めてカニカマを世に生み出した、株式会社スギヨと申します。石川県の能登地方(七尾市)で、主に練り物など水産加工食品を製造しています。江戸時代、鮮魚問屋として創業して以来380年が経ちました。名前の由来は創業時の杉野与作さんから来ています。

カニカマの生みの親として、世界中に広がるカニカマは皆わが子のようにかわいい存在です。ですが、悲しいことに「しょせんカニカマでしょ」「偽物だし」とか、「(しょうがない)カニカマでいいか」と言われることが多々あります。

「みんなの知らないカニカマの世界は、意外と深くて面白いのにな…」と、社内でつぶやいていてもしょうがないので、noteでお話しすることにしました。

カニカマ開発当時の様子

小さなカニカマの中に、いくつもの物語が詰まっています。カニカマ誕生に秘められた開発秘話、完成したのに全く売れなかった時代、その後の爆発的なヒット、ヒットに伴うクレームの嵐、海外進出、さらなるカニカマの進化…。誕生以来50年間ずっとカニカマに向き合ってきたスギヨとその周辺には、カニカマに人生を懸けた人たちがたくさんいました。

たかがカニカマ。されどカニカマ。

そんなふうに思ってくれる人が増えたらと、50年の物語をこれから少しずつ紡いでいきたいと思っています。今もなお進化を続ける現在進行形のカニカマ事情と合わせて、カニカマをつまみながら楽しんでもらえれば幸いです。

「アイデアで勝負」と語るカニカマ氏


2022年、誕生50周年を記念して開発秘話を描いた短編映画「カニカマ氏、語る。」を制作しました。英国紳士風の「カニカマ氏」が語る「カニカマ史」です。まずは自己紹介を兼ねて、よろしければどうぞご覧ください。

私たちはもともと、カニに似たものを作ろうとしていたわけではありませんでした。最初は人工のクラゲを作ろうとしていたのです。それがどうしてクラゲからカニになったのか。そこにはどんな人のどんな思いがあったのか。カニカマ氏のお話に耳を傾けていただけたらうれしいです。

開発から50年が経ち、今だからこそ当時の開発者や卸業者さん、海外進出のパートナーさんの声を残したいと思い、直接インタビューをした上で開発秘話を描いています。

1950年代のスギヨ社屋。「ヤマス」の屋号で親しまれた

【目次】
◆カニカマ物語
【誕生編】
 ・失敗クラゲがカニになる
 ・売れない時代と売れた時代
 ・ クレームの嵐

【発展編】
 ・ カニカマ、海を渡る
 ・ 対米輸出の危機
 ・ アメリカ上陸、工場建設へ
【進化編】
 ・ 概念を変える
 ・ 現在の最新事情、カニカマホットニュース

◆働く人の物語
 ・いま、スギヨで働くこと。社員インタビュー

◆能登の物語
 ・能登に育てられた企業としてできること
 ・世界農業遺産 能登の里山里海

あなたの知らないカニカマの世界へようこそ。引き続きお楽しみください。

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