今の私から3年前へ。いいんだよね。
はじめに。
ふと、久しぶりに手で文字を書きたくなったんです。
大学の授業も課題もパソコンとiPadになって、ここしばらく手で文字を書いてなかった。っていうことに、3年前に買った、全く減ってないルーズリーフを見て気づいたんです。
何を書こうかな。最近ハマってる歌の歌詞?インスタで見つけたかっこいい名言?
何か違うな。ま、紙なんていくらでもあるから、何でも何回でも好きなこと書けばいいんだけど。
そんなふうにぼーっとしてたら、もう20分経ってた。とりあえず何か書いてみよう。
急に、こんなことを殴り書きしていました。
それで気づいた。最近、ちょっぴり寂しい思いしてるんだな、私。
なんかうまく行ってるようで行ってなくて、楽しいようで楽しくなくて、モチベがなくて、何か物足りないような、満たされてない感覚。一緒に同じ世界を見れて、同じ目線で楽しめる人が近くにいないことが久しぶりなんだ。
この手書きをきっかけに、ふとまたnoteに思いを綴ってみようと思ったんです。
そしてnoteを開いてみたら、最後に書いた言葉は3年前のこと。
だったら、そのnoteを書いた頃の自分に向けて、手紙を書いてみようかなって。
このnoteは本当に多くの人に読んでいただいて、たくさんのメッセージをもらいました。みんなに支えられているんだって、また前に進む勇気をくれたんです。
ハタチだったわたしへ。
久しぶり、3年前の私。あなたからみたら、すごく憎たらしいような、嫌味のような、腹立たしいことに聞こえるかもしれないことを言うけどさ、
私さ、あの後からすっごく楽しいんだ。まじで人生最高だって思った瞬間がたくさんあるよ。素敵な人たちに出会って、たくさん旅行して、国際恋愛もして、バスケとキャプテンボールとフリスビーで、家族みたいなチームメイトと一緒に金メダルもらったり。いろんな瞬間で「愛」を感じて過ごしてきたよ。今は少し遠くにいるけれど、それでも大切な友達が世界中にできたよ。全部が全部うまく行くわけじゃないけど、失敗しながら学んで、また成長してる。胸を張って、最高な人生を送っていると言えるよ。
今10月末だけど、あなたにとっては本当に苦しい時期だよね。どうしようもなくて、いろんなことに押しつぶされそうで、何で私がこんな目にって、世界が全部、色がなくて悲しい世界にしか見えなかったことを鮮明に覚えている。
あなたは最近、大学寮の屋上に行くことが好きになってない?何かあるわけじゃないけど、屋上に行けば空と話ができるような気がして、屋上のフェンスを超えて、淵に座って足をぶらぶらしながら、ずっと空を見上げてるでしょ。別に、飛び降りようなんて考えてないけど、なぜか危ない場所にずっといたよね。
謝りたいことがあるんだ。
私、あなたのことを忘れようとしていた。苦しかった、辛かった思い出を忘れて、今の幸せだけを全てだと思って過ごしていた。私はいつもいつも、幸せで、人に恵まれていて、みんなとのかけがえのない時間を過ごしているんだって。苦い思い出に蓋をしていました。
それがすごく悪いことだとは思わないけれど、あなたも、今の私の一部なんだよね。今の私があるのは、あなたのおかげなのに。それを忘れていたことに気づいたんだ。
今、その蓋をとってみたら、すごく胸が苦しくなった。やっぱり蓋したままにしとけばよかったって思うくらい。涙が出てきて、声を出して泣きました。あなたは、この辛さを、毎日毎日、痩せ細った小さい体で耐えていたんだよね。本当にすごいよ。よく頑張っているよ。本当に尊敬する。初めて海外に住んで、慣れないことも多いのに、そんな中であなたは病気と必死に闘っている。かっこいいよ。かっこ良すぎるよ。もう少しくらいダサくてもいいのに。
そういえばさ、私、21歳になった時も、あなたに向けて手紙を書いたことがあったんだ。
この手紙を書いた頃はまだ、たまに発作が起きていてちょっとしんどかったっけな。でも、もう気持ちは前を向いていて、しっかり足を動かし始めていた。
広島で、Les Worldの国づくりfesで「誕生の美しさ」を表現する中で書いた手紙。
3年前のあなたが読んだらびっくりするだろうな。え、今こんなに辛いのに、もっと辛いことが起こるの?私はこれから、世界から消える選択をするの?って。驚かせてごめんね。でも安心して、今この手紙を書いている私は、もう23歳だから。何とか生きてるよ。信じられないだろうし、信じたくもないだろうけど、もう少しだけ、もう少しだけ耐えたら、急にいろんなことが変わって、また前に進もうって思える瞬間が来るから。「このままじゃだめだ。変わろう。」って、自分から変わるきっかけが来るから。あなたが、自分の力であなたを救うんです。本当にあなたを誇りに思うよ。すっごくかっこいいよ。
そんなあなたにだから、ちょっと話してみたいと思ったことがあるんだ。聞いてくれるかな?
ちょっと弱音を吐いてもいいかい?
何で急にあなたのことを思い出したかってさ、あまりにも人生がうまくいきすぎていたからなんだ。
21歳の私は、まだ発作を抱えながらも、オンラインで授業を受けながら日本各地を半年間旅して、人に触れて、人に助けられて、学んで、強くなっていったよ。
7月になるとさ、またマレーシアに戻る日が近づいて来ると怖くなったこともあった。半年間留守にしていた家は、あの辛かった時のまんまで、家の至る所に「苦しい」が残っていた。また怖くて怖くて仕方なかった。
でも新しい大学生活が始まるとさ、全く違ったんだ。新しく出会う人。やっと受けられた対面での授業。素敵なクラスメイトに教授たち。Monash cupで出会ったopinicusのチームメイトとのすごく充実した2ヶ月間。そこからまた始まったバスケ部での青春。もうね、楽しくて楽しくて仕方なかった。
長い休み期間もたくさん旅したね。日本とマレーシアを3往復もして、フィリピン、ベトナム、インドにもいって。サマーユニットではオーストラリアキャンパスの生徒とも出会った。一緒にペナンでのフィールドワークを通してすごく仲良くなった。みんながオーストラリアに帰る時は、みんなに着いて行った人生初めてのクラブで、音楽も光もガンガンうるさい中で、「帰らないで」って号泣してたっけ。笑
2年生になるとね、とっても息の合うkaedeとkaedeと3人で過ごすことが楽しくて。心地よくて。学期末にうちで"study camp"と称したお泊まり会したこと、とっても好きでした。前期が終わると、2回目のインドに行った。そして、好きな人ができて、付き合い始めた。
2年生の後期になると、めっちゃめちゃ仲のいいinternationalなグループで過ごすことが増えた。マレーシア、スリランカ、モルディブ、イタリア、ドイツ、タイ、中国、日本。今考えても不思議すぎる組み合わせだよな。私の家でたこ焼きパーティーしたり、飲み会したり、カラオケしたり。一緒にイポーにも旅行に行った。今でも「Shimauma!」って急にテキストを送ってきたりする楽しい人たちだよ。
この年のMonash cupではバスケとネットボールの2つでopinicusのキャプテンをすることになった。引き受けたはいいものの、私なんかがリーダーでいいの?って、すごく不安だったし、ストレスもすごかったけれど、たくさん準備して、学んだことも多かった。でも私はやっぱり、リーダーには向いてないみたい。笑
2年生なのに、3年生の授業ばっかり取って大変だった。そんな中でキャプテンしして、部活の試合もたくさんあって、課題が終わらなくて、泣いて泣いて頑張ってたな。でも、大好きな友達と出かけたり、キャプテンボールのチームが家族みたいにあったかくて楽しくて大好きでした。
3年生の前期はオーストラリアで過ごしたよ。ちょっと新しいことにまた挑戦してみたくなったの。メルボルンででっかい綺麗なキャンパスで過ごせるのは夢みたいだった。生徒のレベルも積極性もマレーシアとは全然違って、すごく刺激を受けた。友達の影響でフリスビーを始めてみたら、なんかちょっと才能があったみたい。バスケも3チーム入って、週に6回バスケだったよね。mixチームは本当に兄弟みたいに仲良くて、みんなで毎週試合するのも、遊びに行ったことも楽しかった。
あとさ、やっぱり留学だから、たくさん旅行もしたよ。メルボルン、シドニー、ブリスベン、タスマニア。留学生の11人の大きなグループ。いろんな国から集まった面白い仲間と、留学生ならではの大変なことも協力して乗り越えて。Emilyと出会えたことは中でも特別。何でも話せる、話したくなる子。
でもやっぱり恋愛はうまくいかなくなってきたな。相手は素敵な人だよ。でも付き合い始めて1年がすぎたけれど、遠距離でお互いに見ている景色が違うから、すれ違うことも多くなった。
そんなこんなで今、このnoteを書いているの私は、フィンランドにいるよ。3年後期。最後の大学生活。すごいね、大学生活で3カ国。旅行も合わせたらもっと。いろんな人と出会って、いろんな体験をしたね。University of Helsinkiでの交換留学は、Monash Universityとはまた違った、新鮮な経験がたくさん。授業の進め方も、課題の量も、色々違う。
フィンランドはやっぱり自然が綺麗で居心地がいいよ。街も静かで、みんな飲むのが好き。来週は北の地域に行って、雪国を堪能するんだ。
彼氏とは別れることになった。私がどうしても、もっと冒険したくなって、自分のことに集中したかったから。別れ話を切り出すことはとても勇気がいったけど、傷つけることを覚悟の上で、「別れた方がいいと思う」って言った。「パートナーとして最悪だった。」「お前は偽物だよ。」「お前の両親も仲が悪いから、愛が何かを学ばなかったんでしょ。」なんて言われちゃったね。ひどいよね。きっと別れることがショックで言っただけだと信じてる。でもやっぱ、痛いな。もう恋愛する自信無くしちゃったな。笑
ちょっと前置きが長くなっちゃったけどさ、まあこんな感じで、3年前の私から変わったよって。
でもね、どうして急にあなたにまた会いたくなったかってさ、さっきもいったけど、あまりにもうまくいきすぎてるからなんだ、その後の私の人生。いい具合にアップダウンを繰り返しながらも、結構右斜め上に人生グラフが伸びてる感じ。毎日、笑わない日がなくて、いろんな人と話したり、ランチ食べたり。
「さわっていつも楽しそうだよね」"I really like your happy vibes"って言ってもらえて、私はみんなに「幸せな子」って思ってもらえてるんだなって嬉しくて。だって、3年前の私はその真反対で、こうなることを望んでいたから。
でもさ、何でか悔しくなることもあったんだ。なぜか怒りに似た感情が湧いてくるの。うわべしか知らないくせにって。何だよ私、都合のいいやつだな。褒められたかったくせに、いざ褒められたら機嫌悪くなるとか。
でも多分、そういうことじゃないんだ。きっと、「いつも幸せに楽しそうにしていなきゃ」って自分で頑張っていたところがあると思う。それに、「悩みを知らなそう」なんて言われて、ちょっと悔しかったんだよね。今までたくさん、いろんな辛いことを乗り越えてきたのに、その私の存在を否定されたような気がして。
でもさ、それって、私も私自身にしてることだった。私が、3年前の私のことを否定していたんだよなって気づいた。今の私は「いつも笑顔で幸せな人」なので、「毎日苦しくて、心と体に傷をつけて、感情を捨てたあなた」はもう要りません。いろんな人に迷惑をかけて恥を晒しまくったあなたは、私の黒歴史です。みたいな。ひどいこと言ってごめん。あなたはそれでも、生きているのに。
今、本音で全てを話せて、目の前で泣けるくらい、心を許した友達が近くにいなくて、ちょっぴり寂しいんだよね。いつも楽しくて、自分で自分の機嫌をちゃんと取れる、しっかり自立した人でいなきゃって、ちょっと力んでた。
なんか、今の私がさ、今の私の状況もさ、初めての発作を経験する前と似てるんだよね。身近に頼れる人がいなくて、電話かテキストでしかコミュニケーションが取れないから、ハグするみたいに、その人のぬくもりに触れられない。いろんな人に気を遣いながらソーシャライズして、大学卒業後の将来のこともまだまだ考えることがいっぱいで肩に力が入っていて、心が何となく満たされないような。
人に期待することはやっぱりまだ苦手みたい。3年前の私は、いっぱい人に期待して、大失敗したよね。あなたの苦い思いは、今だにずっと私の中に残っているみたいです。勝手に期待して、勝手に裏切られたような気持ちになるのが嫌いで、期待することがなくなったよね。そしたらどんどん人にも興味がなくなっていった。そしたらさ、自分にも興味がなくなってきていた。まあ、そりゃ最近別れた元彼から「愛を知らない」なんて言われるわけだ笑
まあ、人に期待しないから、自分から積極的に深い友達を作るより、いろんな人と仲良くできる感じの付き合い方になっていた。だから多分、私の深い部分を見せられる友達に偶然出会えたことは結構奇跡だったのかもしれない。ありがたいな。
でもまあその奇跡もずっと連続的に起こりはしないよね。たまーーーーーに起こるから奇跡なんだよね。フィンランドではちょっと難しいよ。
フィンランドの人が悪いわけじゃない。ここで出会った留学生たちが悪いんじゃない。私なんだ。寂しい思いをしているのは私のせいなんだ。
まあ、あなたに比べたら結構素直になったよ。感情丸出しすぎて笑われるくらいには。でも、楽しい感情限定だけどね。
今、また少し、変わるタイミングなのかもしれない。
私が、自分から、弱い部分を出せるように。言えないで溜まった言葉たちで心の風船が大きくなる前に、ちょっとずつちょっとずつ、小さな「助けて」を言えるように頑張ろう。私はやっぱり、周りの人がいないと生きていけない人間だからさ。
3年前みたいになるまで溜めこまないで、今回はちょっと勇気を出して変わってみようと思うよ。
まだ、あなたはいつも私のそばにいるから。
あのときからのお守りは、もうかなりボロボロだけどいつも私の近くにいます。壊れるまで買い替えないんだから。
きっと、この相棒のヘッドホンが相棒じゃなくなる日が来る頃には、
「立派な大人」になれているかな。
最後にもう一度
こんなに長くなった手紙、あなたは読む気力もないでしょう。読まずに知らない方が良かったって思うこともあるかもしれない。ごめんね。
でもね、もう一度言わせて。何度でも言わせて。
生きることを選んでくれて、本当にありがとう。
地獄にいるみたいに苦しくて、ベッドにうずくまって、発作が起きたら悶え苦しんで、当たり前のことができない自分が憎くて、腕やお腹を切って、「自分はクズだ」って、傷つけて傷つけて傷つけて。
カミナリに打たれたいって思ったり、屋上のぎりぎりで寝転んでみたり。
もうたくさん頑張ったって、限界だって、思ったよね。
そんな中でもさ、あなたが生きることを選んでくれたから、
私は世界の美しさを知ることができたよ。
いろんな世界を見ることができた。いろんな人と出会うことができた。ご飯が美味しいと思えた。道端に咲いている花が綺麗だと思った。わがままを言うことが楽しいと知った。
生きるって、最高だよ。楽しいよ。
うまくいかないこともたくさんあるけど、それがまた人生のスパイスになって、うまく行ったときの喜びを3倍、4倍、いや、もっとにしてくれる。
まだまだ悩むこともたくさんある。将来への不安もたくさんある。
でも、覚悟を決めることも、勇気を持つことも、あなたから学んだから。
「今日で人生を終わりにする」って本気で決めたこと、そして、「変わって、もっとこの世界で生きる」って勇気を出したこと。
あなたほど、勇敢な人を知りません。あなたが強い人だったから、この世界で生きる、輝く価値のある人だから、そんなあなたをいつも思い浮かべながら、これからまた頑張ってみようと思います。
って言っても、私忘れっぽいからさ。また楽しいことがあったら、あなたのこと、忘れちゃうかもしれない。ウジウジしてる時だけ思い出すような、都合のいいやつになってしますかもしれない。でもまあ、その辺はあまーく見てくれないかな。「はいはい、楽しんでらっしゃるようで、結構ですよ。」って。半べそ書いてる時は「またウジウジしおって。ほらさっさと顔を上げて、また出発しなよ。」って励ましてくれないかな。
今まで長々と言いたいことを一方的に書いてきたけれど、最後に、一番伝えたいことを。
あなたのことを、心の底から尊敬しているよ。愛しているよ。
それじゃあ、またね。
2024年10月25日の咲和より、2021年10月の咲和へ。