マクレランドに学ぶ！目標設定しても行動できない複雑な人間心理を知ってモチベーションを上げるのもいい
近頃、寒くなってきましたね。
2021年も残りあとわずかです。先日は学生に年末年始のスケジュールを立てさせました。
師走は大掃除をしたり、新年に向けての準備をしたり。忙しくなることがわかっていても、渦中に家中でドタバタするのが私たちの常です。
12月が来る前に、年初に立てたいくつもの目標をサラリと振り返り、来たる新年に備えて、一足早く新年の目標を設定してみませんか。
デレク・シヴァーズ「目標は人に言わずにおこう」は一理あり？
社会心理学者のデレク・シヴァーズ氏はTED Talksで725万再生されました。
彼は目標設定について、以下のように話しています。
Repeated psychology tests have proven that telling someone your goal makes it less likely to happen. But when you tell someone your goal and they acknowledge it psychologists have found that it's called a "social reality. The mind is kind of tricked into feeling that it's already done. 1926, Kurt Lewin, founder of social psychology, called this "substitution." 1933, Vera Mahler found, when it was acknowledged by others, it felt real in the mind.
「目標を人に話すことが実現の可能性を下げることは心理学の実験で繰り返し示されています。目標を人に話し認めてもらうとそれが一種の社会的現実になることに心理学者は気づきました。もう実現したかのように心が錯覚してしまうのです。1926年社会心理学者クルトレヴィンはこれを「代償行為」と呼び、1933年 ヴェラ マーラーは他の人に認められると心は現実のように感じることを示しました。」
まとめると、「目標を達成したいのなら、人に話さずに自分の心の中にとどめておいたほうがいい」と。
なるほど、それも一理あるかもしれません。
「目標を宣言したほうが周囲から応援して、何かと助けてもらえるので結果的に目標を達成しやすい」という人もいて、世間一般ではこの考え方のほうがわりと主流かもしれません。賛否両論ですね。
目標を設定したがるのに達成できないのはなぜ？
では、人はなぜ目標を立てたがるのでしょうか。
行動すればなりたい理想の自分に近づけるはずなのに、現実問題、なかなか行動に移せていない人が多いのはなぜでしょう。
例えば、こどもです。子どもが目標達成できないのは、自己統制力が低いとか、自己管理能力がないからとか、いくらでも原因追及できそうです。
しかし、達成できないのは子どもだけではないのです。私たち「大人」も得てして目標達成ができていないという事実をないがしろにするわけにはいきません。
子どもに比べて、大人は自己統制力や自己管理力も備わっています。それなのにもかかわらず、私たち大人が目標達成できないのはなぜでしょう。不思議ではありませんか。
これにはモチベーション理論が関係していると言われています。
デイビッド・C・マクレランド教授のモチベーション理論とは？
マクレランド教授は、アメリカの心理学者です。
彼の提唱した、モチベーション理論（McClelland’s Theory of Motivation）というものがあって、私たちの目標が達成できるかどうかに密接に関わっているとも言われています。
①達成動機：何かを成し遂げたいという強い動機
②親和動機：親和的で友好的な関係を築きたいと願う動機
③権力動機：影響力を用いて他人を支配することにこだわる動機
④回避動機：失敗や困難な状況から逃げることを選択したがる動機
私たちはこの4つの動機をそれぞれ持っていると言われています。この中のどの動機が最もよく働くかは、人によって異なるそうです。
人が目標を達成できないのは、もうお分かりですか？
そうです、「回避動機」です。回避動機が働いて、行動しないほうを選択してしまう結果、目標も達成しにくくなる、というわけです。
私たち大人がなかなか目標達成できないのも、まさにこれが原因。年初に立てた顕在的目標が達成できなかったのも、あなたの潜在意識、無意識下レベルでは、本当はやりたくなかった、望んでいなかった可能性があります。
思考は現実化する。
「あなたが本当に手に入れたい現実は何ですか？」
「あなたがなんとしても叶えたい未来は何ですか？」
心から本当に望んでいる物事は必ず達成できます。
2022年こそは、何としてもやり遂げたいものですね。