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念水さん小僧日記

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noteに上げた念水の小僧日記をまとめました。お坊さんとしての感想が中心です。無一文から参禅堂を建てるまでの心の軌跡。出家に興味ある人必見です(笑)note記事のインデックスみた…
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#坐禅

私がお坊さんになった最大の理由。

私がお坊さんになった最大の理由。

今までの人生で母が亡くなったときほど悲しかったことはありません。それまで仏様は遥かに遠い存在でした。お通夜の夜ひとり家にもどって、母のすがたを探しました。もちろん誰もいません。誰もいないはずの家で、誰もいないからこそ、子供の頃のように声をあげて泣きました。

人前では平気な顔しながら、男の子にとって母の死は強く刺さります。生まれたときからずっと「母ちゃん」と呼び、大人になってからは「おふくろ」とか

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はじめまして水です。

はじめまして水です。

滝のように毎日情報が流れ込んでくると、どんどん水がたまって池になります。このノートは、そんな情報の池を澄んだものにするための、参禅のすすめです。よかったらお付き合いください。

このノートをはじめた動機は、昨年末わたしの田舎の地面に池を掘ってビオトープ的な自然な庭を創りはじめてからです。話がだんだん凝ったものになり、今、大工さんに頼んで参禅堂を建てようとしてます。

えらいこっちゃ、先立つものが少

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静かな池、参禅。

静かな池、参禅。

わたしは自分の心を水にたとえるとわかりやすいと思ってます。四六時中さまざまな思いが渦巻いて濁るのですが、池のようにどっしりと構えていると少しずつ 少しずつ澄んでまいります。そして池の底に棲んでいる井守の姿が鮮明にみえてくるのです。

一人で坐禅することを「独坐」といいますが、これはなかなか続きません。じぶんの経験上はそうです。正直ひとに見られていると思うとまじめに坐れます。周りにひとが居るほうが自

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私のビジョン「ともにすわる」を1分でかんたんに説明します。

私のビジョン「ともにすわる」を1分でかんたんに説明します。

↓で記事の内容の音声が聞けます。

ずばり「無料で、誰でも坐禅できる場所を提供すること」です。
そのために参禅堂の建築を大工さんに依頼しています。
完成しましたら、まずは友人や知人と参禅の会を開きます。
決められた時間がきたら、ひとりでも坐ります。

個人の信仰を問いません。
また仏教や禅宗(曹洞宗)を勧めることもしません。

ただ坐禅を勧めます。

壁に向かって(面壁といいます)ただ坐るだけです

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坐る場所に上がる框(かまち)を浄縁といいます。

坐る場所に上がる框(かまち)を浄縁といいます。

ここは足やお尻で踏まないように、床板の上に敷いた座布団に腰掛けるようにして、足を上げて上がります。なぜなら僧堂とか坐禅堂で食事やお茶をいただくとき、この浄縁(じょうえん)の上に食べ物や飲み物を置くからです。いわばお膳・食卓ですから常に浄巾でキレイにしておきます。

うちの参禅堂の浄縁をどうするか?が大きな課題でした。間口3間は約5.4mの長さですから、そういう材木は破格の値段がします。とてもじゃあ

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