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「世界漂浪の記」 羽生隆 101選

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50年遅れの同じ日付で毎日投稿されていた羽生隆さんの旅行記「世界世界漂浪の記」の中から、何度も読み返したい特に印象深い投稿を集めました。
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2022年4月の記事一覧

❨223❩1972.4.11 火 晴  将来の事を考える/ポポ湖(Bolivia:Lago Poopó)

❨223❩1972.4.11 火 晴 将来の事を考える/ポポ湖(Bolivia:Lago Poopó)

まっ青な空。雲は、一っかけらもない。
気持ちの良い天気。

朝飯を取らしてもらい、九時、町を出る。
皆んな親切な連中だったぜ。

さて、この後が大変。すごい砂利のデコボコ道。
3時迄休まず、6時間歩いて走って、一つの町に着いた。
なのにやっと45kmーーーアベマリヤ!
イヤンなる所だぜ。

地図にあるポポ湖は、殆どかれて、水がないようだった。広い所だ。

夕方寄った店で、チャル・パータまでの道程を

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❨224❩1972.4.12 水 晴  夜汽車でウユニまで (Bolivia:Santiago de Huari→Uyuni )

❨224❩1972.4.12 水 晴 夜汽車でウユニまで (Bolivia:Santiago de Huari→Uyuni )

昼、ウワリの町で一本ビールを飲んだ。
その後の苦しい事。
一時間程、河原でひっくりかえって動けず。

さびれた町があちこちに見られた。

砂にタイヤが埋まって走れない所が何箇所もあった。
薄暗くなり、腹が減って、こんな道を走る時程辛い事はない。

夜、やっとの思いで町に着く。
ここから5時間、夜汽車に乗る(13.5ペソ)。
ウイウニの駅が終点。

窓から見る空の星が、美れいだった。
夜汽車っての

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❨226❩1972.4.14 金 晴  塩の砂漠/チリ:オヤグエ (Chile:Ollague)

❨226❩1972.4.14 金 晴 塩の砂漠/チリ:オヤグエ (Chile:Ollague)

寒い。水たまりには氷が張っている。
日中はものすごく日ざしが強い。

駅で知り合った、俺より一つ若い、奥さん持ちのロベルトの家に一日やっかいになる。

昼、11kmの所にあるイオウ採拓鉱まで自転車で行く。ひどい砂の道。

このOllagueは駅の町で、砂漠 (塩)と、いくつかの高い山に囲まれてなっている。
山の頂上には雪があり、そこから吹き下りて来る風が肌にしみる。

ここからアンタファガスタまで

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❨232❩1972.4.20 木 晴  400kmの砂漠を乗り切る/アタカマ砂漠(チリ)

❨232❩1972.4.20 木 晴 400kmの砂漠を乗り切る/アタカマ砂漠(チリ)

ちょっとツユがおりたな。寝袋がぬれていた。

5km下って、5km上って、という今日の道、かなりきつかった。 しかしやっと一つ、400kmの砂漠を乗り切った。夢中だった。

4日間砂漠の中、2ヶ所に貧弱なポサダ(休憩所) があっただけである。

今日3時、町に入った。

よく走ったぜ、今日の3時までに400kmだから、一日平均130kmの計算になる。

食った食った。肉と野菜に飢えていた。
ビール

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