マリゴールドマーマレイド
幸せになるのを直前で我慢している幸福な切な感がやっぱりその車を俯いた海に向かわせた。カラスの骸骨とクリアパーツになった薔薇をモゲそうなルームミラーに縊死して、まだ眠気の残る太陽めがけて走る。バイタルの自認は瀕死ってオカマみたいな声でまた言ってる彼氏と朝ご飯も後回しにして着いた砂浜に、とりあえずポケットに入ってたジャックナイフの背で「“手をくれ”かもしれない」と書いてみた。まだまだ時間があったから【ボブの亡骸】っていう店で奥歯が引きつるような味のソフトドリンクを何故か三人分買って、もう色が変わってしまっている高速道路を当てもなく引き返す。蛍光オレンジと香水みたいな虚無とに塗り分けたお揃いの防弾ベストが海賊旗のように自慢気なバイカー達とすれ違ったけれど、彼等は一体どこに行こうとしてるのかしら？
タイトル：Highways Of Gold
収録作品：Take Me To The Sea
アーティスト：Jaguar Love
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