ウニャ・ティロテアル

詩のようなもの。単体で存在する隙間。鉛色。それぞれの解釈で零れ落ちてしまっていた言葉を…

ウニャ・ティロテアル

詩のようなもの。単体で存在する隙間。鉛色。それぞれの解釈で零れ落ちてしまっていた言葉を拾い上げたり、お気に入りのコインや切手なんかで隠したりしてみて下さい。

マガジン

最近の記事

震気楼№010

掌に頬を押しつけて眠る猫の頭の重み そんな我儘を言い合いましょう

    • 台詞22

      「……“『理解できない人間の心理を分析する、これ以上面白い事が他にあるだろうか。…はっ!そうか、これを多くの人々が知れば或いは…』正にその瞬間、王様のエンパシーによる世界征服は始まったのです──。”……今日はもう遅いからここまで。続きはまた明日ね」

        • 震気楼№009

          寝ていたら左耳のすぐ隣で小さな爆発音がした 何の根拠もなしにとてもリアルで、形で言うと大きめのポップコーン でも機械的でもあって小人が関係しているらしいともどこかで思った たぶんもう二度と聞けない

        マガジン

        • 震気楼
          10本
        • 「フェルリジシュワ」のセリフ集
          22本
        • 5/4(五秒詩)
          41本
        • 葬式で流してほしい曲なんてそうそう見つからない
          31本
        • おはなシ
          37本
        • わりと返信が長いタイプだったな
          13本

        記事

          柔らかい炎天下

          焼き焦げるアスファルトに 甘ったるいラバーソールを引き剥がされたいんだ ただれ落ちるみたいにギシギシと鳴り 白雲混じりの空に心と足が生えた感じっていうか 届かないのに立っていてそれも 飛べる事はただの一度も 名残のサカナと嘘と傾げた首 今まで黙ってたけど 僕のオッダイはほとんど片目さ 軋み合うザラメで糖衣したヴァーティゴ錠で 大きなサヨウナラを言ってみるから そこで見ていてよ タイトル:One Goodbye 収録作品:The King In A Rookery アーティス

          台詞21

          「オープンチューニングでマイナーコード押さえるんだよ、あの人。オープンGでAマイナーだとするじゃん例えば。そうすると人差し指で2弦1フレットで後は全部2フレなんだけど、中指で3弦薬指で4、5弦バレーして小指で1弦押さえるの。あ、6弦は外しちゃってんだよ。そうそうそう、あの有名な。ペグまで外して穴も埋めちゃって、本家もやってない完全5弦仕様。それでさ、ギターやってる人は分かると思うんだけど、すごい密集してるフォームなんだよ。それを歌いながらやっちゃうもんだからさ、最初見た時はな

          爪を研いでも?

          未だ概念でしかない世界猫 人々が怒りの柱に変わる寸前に 降臨すると言われるが 象れる姿ではないと伝わり トロメロデントロの筒塔を象徴に据えている 夜に描いた顔で閾値を啜り 1790羽のご託宣が空で読まれる時に限っているのだ 今もどこかでそのザラついた舌で 血みどろのお前の髪を撫でつけている

          震気楼№008

          「いないものをいないと認識する力が正気を保ち、いないものをいると信じる力が狂気を加速させる」というタイトルのグラインドコアと哲学臭がひどいモーダルジャズを交互にプレイするTiny Brainsというバンドの演奏シーンがチラッと出てくるサイバーパンクハードヴァイオレンス映画のタイトルを決めて下さい

          何を言っても嘘っぽくなる

          そこから読み取れるのは “いつまでも来るはずもないものを膝を抱えて待っていろ”か “少しの注意を払えば容易に気付けるだけの違和感”で 絶望と希望、無知と英知、諦観、背反、優越、齟齬、それらが偏在しながら遍在している 館内放送がずっと繰り返す ベンチと私の色調が似ているのも 偶然かどうか

          何を言っても嘘っぽくなる

          ブランケットを掛けるみたいに

          もはや誰しもが日曜日イブすらも怖いのだ あったまった弁舌から返り血のゲオスミン 蚊の鳴く声よりも小さく漏れた反駁 平熱を装ったチャコールの薄羽根で 重いルアーを甘噛みしめるんだろう 何も言わず肩も叩かないが オマエをずっと見ている こんな奴がいたと 身振りで証言する用意はある

          ブランケットを掛けるみたいに

          科白20

          「うちは雑貨屋みたいなもんだからさ、死にたがりのお前さんのお気に召すものの一つや二つ、あるかもしれないじゃないか」

          震気楼№007

          言葉そのもののアイデンティティーや存在意義が揺らぎかねない問いかけを繰り返し、意味・意思を伝える本来の役割で使役しない つまりはある種の死刑宣告、お前に居てほしいと望む者などいるものかと絶望に蹴り落とすような行為 それでいて言葉が愛おしくて仕方がない シュールレアリスム詩とはそういう、恐ろしい暴力性と自己憐憫の言い訳の繰り返しなのだ およそ人の親になれるような人物が究められる代物ではない

          escapengines;アグラヴィティスティーム

          せっかく書いた手紙が濡れてしまわないように 今日はもうお帰りよ 郵船荘(小)なら明日も出るから 不可知の地に行っちゃったあの子も きっとずっと待ってくれる 雨が上がったら 自転車の練習しよう 早く補助炉がはずせたらいいね 後でシュワーレロをたっぷり乗せた パンケーキを一緒に食べに行こうか

          escapengines;アグラヴィティスティーム

          震気楼№006

          私の作品には性的な要素が圧倒的に欠けている時点で偏執で不完全なのだけど、それこそが私という人間を体現している、何ひとつ明かしていないような顔をして

          スロウライナー

          プチパラディ行きの流線形 白と緑の航跡を曳いて走る 噛みしめる喜びと上顎と頬の異なる感触 レールは平行じゃなくて 君を乗せるお席にはまだまだ余裕がありますから 赤と黄色は特急扱いになります