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日本の森、モリのニッポン紀行

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「延喜式」に掲載されている式内社をタイヤの太いFATBIKEという自転車で訪ねています🚲 2020年1月より140文字で巡拝記を書き始めました。 ・2020年12月6日〜(no… もっと読む
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2023年9月の記事一覧

日置神社@加賀國江沼郡。

にぎわう山中温泉郷から大聖寺川沿いを走り九谷ダムへ。残暑厳しく汗はダラダラ。昭和六十一年に九谷ダム建設とともに現位置に遷座。向かっているのは旧社地である。道路より一段高い場所に広場があり、その中心に「日置神社跡」碑。付近一帯は往昔、「日置谷」とも呼ばれた。
写真は石川県加賀市。

日置神社@加賀國江沼郡。

台地上の住宅地入口。急な坂の先に鎮座する神社は門番のようである。由緒によると昭和六十一年十月、九谷ダム建設のため現位置に遷座。俗に「風の宮」とも呼ばれ、境内を汚すと大風が吹き作物の不作を招くという。それを逆手に、米価釣り上げ目論みわざと汚す商人もいたとか。
写真は石川県加賀市。

忌浪神社@加賀國江沼郡。

境内に入り鳥居越しに北陸新幹線の高架をのぞむ。神社創設当時、高速移動する乗り物を予見できたひとがいただろうか。倉稲魂命を祭神とし「穂宮」とも呼ばれる。手を合わせてから加賀に多いスダジイの森を歩く。幹太い一本一本が合わさって大きな森になるという見本のようだ。
写真は石川県加賀市。

菅生石部神社@加賀國江沼郡。

拝殿参拝後、うしろを振り返り「おっ」と声が漏れた。境内の至るところに背の高いスギ。驚きながら稲荷社に向かうと今度は石段にヘビがいて再び声が出た。ちなみに神社の敷地に沿って流れる用水にはサワガニが岩の隙間から出たり入ったり。森が育む生物多様性だなと納得。
写真は石川県加賀市。

服部神社@加賀國江沼郡。

山代温泉郷を見下ろす高台に鎮座。まさに温泉郷の鎮守。北陸の厳しい残暑のなか、石段下の入口近くで聞かれたアブラゼミの鳴き声は、高台の境内奥の森ではツクツクボウシに変化。服部=機織の神であるのは加賀でも変わらず。湯湧き出る地に暮らしを確保し、機織る人々を想像。
写真は石川県加賀市。

宮村岩部神社@加賀國江沼郡。

境内の森の木陰に入ると気温がぐっと下がり、九月初旬の暑さを忘れる。拝殿後方に本殿はなく、瑞垣内にはタブノキやスダジイなどの木々。その根元にはご神体の「石」が鎮座坐すとか。昔、社殿を造営しようとすると、風雨とともに雷鳴がとどろいたそうだ。転じて祈雨の神。
写真は石川県加賀市。

加賀國江沼郡・御木神社。

社名から木の神を連想したが、祭神「大御食津神」の神名からの転訛とか。由緒によれば昔、江沼潟にすむ大蛇が田畑を荒らすので、この地を守るためにまつったのが大御食津神。木とは関係ないとはいえ、スダジイやケヤキ、タブノキ等々そびえる日曜の朝の境内。柏手が唯一の音。
写真は石川県加賀市。

刀何理神社@加賀國江沼郡。

こんもりした森の昼なお暗い境内から外を眺めると、鳥居前の線路をサンダーバード号が疾走。玉垣沿いを等間隔に並ぶスダジイを見ると、人工的に作られた森なのかも。八幡神社と称した刀何理神社が「福羅の宮」を名乗る白山神社に合祀され、刀何理神社となった。由緒は語る。
写真は石川県小松市。

篠原神社@加賀國江沼郡。

「篠原は志乃波良と訓べし」と「神社覈録」の淡白な記述。実際の森はスダジイとともにタブノキの存在が大きく緑が濃い。境内全体で見かけるタブノキだが、社殿両脇の二本が他を圧倒。根元に空洞できても枝を空高く伸ばし、もう一方はどっしりした胴体がキングギドラ思わせる。
写真は石川県加賀市。