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神様の分業化と日本人のワルツ

令和初めてのお正月はどのような過ごし方をしましたか?

これはわたしの家の風習なのですが、大晦日の夜に、年越し蕎麦を男が作り、おせち料理を女が作ります。普段料理をしない父や小さな子供たちも混ざってするのが毎年恒例のイベントです。

幼い頃、祖母に「どうして?」と疑問を投げかけたのを思い出します。1年の終わりに皆んなで共同作業をすることで、1年のケガレを落として、気持ちの良い形で新しい年を迎えようね、神様は見てるからね。なんて意味があるようです。面倒くさいなんて思ってしまった反抗期もあったけれど、今ではあたたかい嬉しい風習です。

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『福の神』という言葉

1月1日はお風呂に入らない方が良いという言い伝えを聞いたことがあります。これは『服』を脱いでお風呂に入る行為は『福』を落とすことになりかねないから、という言葉遊びからきているようです。神様が授けてくれた福を纏っていなさいということなのでしょう。

確かに、日本人はあらゆること・ものに『神』を見出します。

ハレの『七福神』からケガレの『死神』『貧乏神』まであらゆる神様を耳にしたことがありますよね。

(ハレ:非日常、特別、ケガレ:災い、よろしくないこと)

これは非常に日本的な概念で、まさに『神様の分業化』と言えます。


神様の分業化

日本は多神教です。現在の日本においては「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する」と定められ、国教は定められていません。

中でも多いのが神道と仏教。そのため人々はお正月(三ヶ日)などの節目に神社や寺社にお参りに行くのです。

わたしにとって身近であった神社に『鹿島神宮』があります。

茨城県鹿嶋市にある神社で、日本建国・武道の神様である「武甕槌大神(たけみかつちのおおかみ)」を御祭神とする、神武天皇元年創建の由緒ある神社です。武甕槌大神は、武の神様で勝負事にご利益があるとされています。

鹿島神宮=武の神様  なのです。

このように神様はそれぞれの得意なご利益を、参詣者であるわたし達に授けてくれます。

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おみくじと御守り

当然のごとく、今年もおみくじを引き、御守りを購入しました。別にしなくてもいいことなはずなのに、してしまうのには日本人の「ハレ」と「ケガレ」の考え方が関わってくると考えられます。

おみくじを引くことで、今年の「ハレ」「ケガレ」を知ることができます。大吉であれば晴れ晴れした1年の始まりで気分は「ハレ」になるし、万が一凶を引いてしまったとしても、今年は気をつけて過ごそうという「ケガレ」の予防へ気持ちは移ります。

また、御守りには「ハレ」のパワーを保ち、「ケガレ」のパワーを防ぐ役割があります。これらを身につけることで安心感に繋がります。

さて、わたし達はおみくじや御守り購入をあらゆる神社・寺社で行いますよね?

これにはまさに神様の分業化が影響しているのです‼️

だって効果違うし、だって違う場所だし

正当化のようにも聞こえるこの言葉たちは、正当だったのです。


神様の分業化と日本人のワルツ

日本人は神様の分業化を都合の良いように捉えているように思えて、実はそこにはビジネス的な策略があるとも言えます。

あらゆるところに足を運んでくれれば、神社が儲かるし、最寄りの店が儲かるし、そこへ行く交通機関が儲かります。

わたし達は自分たちで踊っているようで、実は神様の分業化に踊らされていたのです💃

日本人のワルツという表現には、二つの意味を込めています。

①自分たちでリズムに乗って踊る。

=自分たちで参詣場所を選ぶ

②音楽に乗せられて身体が勝手に動く。(筆者のお気に入りの街ウィーンでは、「ワルツが流れると思わず踊らずにはいられない」とも言われています。)

=実はビジネス的な部分もある⁈

ウィーンの記事👇


最後に

大学のセンター試験を受ける年の初詣、「絶対合格」と記した絵馬を結ぶ直前に落としてしまいました。なんて縁起が悪い。

センター試験を受けた帰り道ではキャリーケースの持ち手が壊れてしまったりと不運続きでしたが、無事、絵馬に記した大学に合格しています㊗️

神様の分業化。その中で身近であったとは言え、武の神様を祀る鹿島神宮を選んで参拝したのは、なんだか良かったのかもしれません。

武の神様が味方をしてくれていたのかもしれません。

わたしがワルツと表現した「踊らされる」ことは、ビジネス的な面だけではなく、気持ちに味方をしてくれる(乗せられる)と言う意味合いで案外悪くないのかもしれません。

初詣だけではなく、普段の参拝から意識してみようと思います。

直近では成人式がありますね。成人を迎えられる皆さまもぜひ自らの新しい門出に相応しい参詣場所を選んでみてくださいね🌅

成人式の記事👇


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