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【短編小説】すべる目玉焼き





セラミックフライパンを買った。





通販で見てからずっと気になっていた真っ白でつるつるのフライパンだ。




「わあー!」




ちびねこがてくてくやってきた。




「わわあ!」




ちびねこはつるつるフライパンをすべった。




コマーシャルのようにつるつるすべる目玉焼きが作っていみたい。





ちびねこの首根っこを掴み、フライパンからおろした。




フライパンを火にかけて直接目玉焼きを落とした。





油いらずですべるとはこういうことか。





楽しくなってつるつるすべらせていると、





目玉焼きが思いっきりフライパンから飛び出した。




フライイング目玉焼き。


フライイングサニーサイドアップ。


このままではサニーサイドアップがダウンしてしまう。




どうするべきか悩む前にちびねこが思いっきりジャンプして目玉焼きを掴んだ。



「わわあ!!」



ちびねこが掴んだ目玉焼きはゆっくり降下し、

ちびねこはそれを絨毯にしてすべった。




すべり台のようにつるつるすべり、黄身にタイブした。




そのまま黄身だらけになったちびねこは目玉焼きとともに真っ黄色になって地面に着地した。




ひとりと一匹で落とした目玉焼きを見ながらげらげら笑う午後だった。

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