【短編小説】おちこぼれのおばけと13日の金曜日
今日しかなかった。
おばけのティムはその界隈では信じられないほどの落ちこぼれだった。
スケルトンのように体が折れやすいわけでもなく、
ゾンビみたいに体が腐っているわけでもない。
いついかなる時もどんな場所でも人を驚かせられるのがおばけの強みだ。
にもかかわらずティムにはそれができない。
このままでは退学になってしまう彼は、本当に落第ギリギリだった。
その落ちこぼれが挽回するチャンスは今日、
この13日の金曜日しかなかった。
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