【短編小説】髪を切った日。
髪を切った。
もう何も気にしなくて良くなった。
枝毛を気にしてトリートメントをすることも、
大人しく髪を染めずにいることも、
お風呂上がりの長いドライヤーも、
長い髪に似合う女の子らしい服装も、
体型維持のためのダイエットも、
我慢してたこと何もかも、
何一つ気にしなくて良くなった。
私は今日、アイドルをやめる。
ちょっぴり切ない気もするけど、
もう誰の目も気にしなくていい。
美容室帰りの毛先は、ほんの少しだけ軽かった。
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