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iPod Classicを発掘した話。

表題の通りです。

2021年末は何かと立て込んでおり、少し早めの大掃除。埃被った昔懐かしの就活カバン(どうしてこんなボロボロな物を閉まって置いたのでしょうか?)を捨てる前に一応中身の確認。と、まさかの古代生物を発掘したのでした。ダメもとで電源ケーブルに繋いだ瞬間、リンゴマークが…光った!!動く、まだ動くぞ!!しかし油断はできない、ここから先の画面に進まないことには。

その先の景色を見たい、などとゼロ年代JPOPみたいな一節を頭の中で唱えている間に無事メニュー画面が姿を現す。待てよ、データが消えている恐れもある。多分にある。恐る恐る「Shuffle Songs」にカーソルを合わせてみた。するとどうでしょう、そこには12000曲を超える青春時代の思い出の数々がはっきりと残っていたのでした。

160GBモデルのブラック。

正直バッテリーの状況はかなり厳しいものと覚悟しています、しかしながら給電しつつ音源再生する分には一切問題なさそう。サブスク全盛の時代とはいえ、未だ配信されていないアーティスト/楽曲も多い。記憶が確かならば高校時代、iPod Miniに続く主宰2代目として迎え入れた機種。大学ジャズ研入会後は160GBでも到底収まり切らない曲数にまで膨れ上がった。

毎年の夏合宿がある意味では「とびっきりの音楽をシェアし合える」絶好の機会で。主に新入生向けに用意された所謂ジャズ初学者向け音源の端っこで半ば非合法なブツをやり取りするかの(注:非合法なものは何一つありませんでしたが)如く、各々HDDを持参の上レア音源やライブ録音の交換会を日夜。今は昔、ようやくクラウドストレージなんて声高に叫ばれ始めていた頃。

コレクションから、いくつか抜粋でお届け。

MoonchildのフロントマンであるAmber Navranが大学在学中に自主制作した1枚、しっかりと主宰のiPodに残っておりました。特に印象的に映ったM-2の「Spend The Night」のスムース感は少なくとも10年代以降のスタンダードになると確信させる仕上がりで。恐らく関西ジャズ研界隈でもかなり早時期から、彼女の背中を追いかけてきた自負があります。音源、見事救出完了。

変わってこちら1988年の作品。Tom Harrellと故・George Robertの双頭5tet、中古市場でも見かけることの少なくなった隠れた1枚で。フェイバリットは3曲目「Visions Of Gaudi」亡くなった名手Phil Woodsの言わずと知れた名曲で、『Sail Away』はじめ様々なアルバムで繰り返し演奏されてきましたが。正直このテイクが圧倒的に「研ぎ澄まされた」感じがします。救出完了。

サブスク化が切望される1枚。2007年に、伊の名手Rosario Giulianiが行ったライブ音源。ジャズ研の先輩に、イタリア界隈なら右に出る者はいない程のAs奏者がおりまして。そんな先輩からの紹介で1回生冬の定期演奏会のトリを飾るバンドで演奏されたのが、収録曲「So What」の3管アレンジでした。Flavio Boltro、Emanuele Cisiの名前を知るきっかけともなった思い出の盤。

こちらもサブスク化が待たれる、知る人ぞ知る名盤。1992年という早時期に故Roy HargroveとJoshua Redmanにスポットを当て往年の名手達との融合を試みたという点でも、非常に意義深い作品であると言えます。もしもあんな形でDanny Gattonが命を落とさなければ、Vol.2が実現していたかも。お気には「Wheel Within A Wheel」、強烈な個性が絶妙に溶け合っています。

結び。

まあこんな調子で溢れ出ちゃって止まりません。また何か別の機会に。とはいえ元来、物持ちの悪さに定評のあった主宰ですら10年以上も前の古代生物とこんな形で再会を果たせるとは。しかし就活カバンに入れっ放しなのも、まあらしいっちゃらしいのかもわかりません。過度な負担がかからないよう毎日少しずつ少しずつ、サルベージを進めている最中でございます。

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