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4つの文章が → 原稿用紙12枚に!

さくさく作文教室®︎は「原稿用紙2枚がさくさく書ける!」が
コンセプトの小学生向け作文教室です。

さくさく作文教室®︎では マンツーマンによる講座も開催しております。
以前、小学5年生の子と一緒にオリジナルの物語を作りました。

と、いってもワタクシは物語の肉付けと推敲のアドバイスだけです。
使ったのは、ストーリーキューブスというものです。

この中から4つのキューブを選び、

イラストからイメージする4つの文章を作ってもらいました。

■リンゴが空から落ちてきた
■木を赤色に塗る
■流れ星で遊ぶ
■影が人の気持ちを表した

ここから、文章の肉付けと推敲をします。
「どんな展開にする?」と質問しながら物語を膨らます(肉付け)こと ×2回

「この文章でいい?」「この文章、どこに持っていく?」と質問しながら、
推敲すること ×2回

たった4つの文章から原稿用紙12枚の物語が出来上がりました。

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
月の裏側にメンシーという女の子が住んでいました。
メンシーは102歳ですが、地球の年齢で言うと8歳です。
メンシーは欲張りで、宇宙人の友達が持っているものでも自分が欲しくなると、「それちょうだい!」
と言って、欲しがります。
しかし、友達もそんな簡単にはメンシーにあげません。
「やだやだ」
と断りますが、メンシーは自分が欲しいものならどんな手段も選びません。
友達をたたいてうばいとることもあります。
なので友達たちはメンシーを見るとすぐ逃げていきます。

月の裏側に友達がいなくなったメンシーは、月の表側に行くことにしました。
まずメンシーは森に行きました。
ここにはお菓子を食べている宇宙人の子供がいたので、
「それちょうだい!」
と声をかけました。
「なんで?」
「いいから早く、それをちょうだい!」
と言ってうばい取りました。

次にメンシーは太陽語で電話している宇宙人の子供を見つけ、
「何それ? それちょうだい!」
といきなり電話をうばい取りました。
「勝手に取るなよ、電話中だよ!」
と言われましたが、メンシーはそんな宇宙人の言葉なんて聞いていません。
メンシーがうばい取ったのは宇宙で使われている全ての言葉を翻訳できる
星語翻訳機でした。

メンシーはこの翻訳機を使って何が出来るかを考えていました。
「これを使えば、これまで言葉が通じなかった宇宙人からも何かもらえるかも」
メンシーはニヤニヤしました。しかし奪われた子供たちは泣いていました。
メンシーは月の表側でこれまで以上に欲張りになりました。

次の日。メンシーは朝のニュースで、今夜は宇宙一大きな流れ星が降ることを
知りました。それを聞いたメンシーは
「そんな大きな流れ星が降るなら、私の大きな願い事もすぐにかなっちゃう
 かも!」
メンシーは夜を楽しみにしていました。
その日もメンシーは自分が気に入ったものがあると友達からうばい取っていました。こんなメンシーの願いごとは本当に叶うのでしょうか?

待ちに待った夜がやって来ました。
メンシーは流れ星に願いごとするために友達からうばい取った秘密基地にやって
来ました。そこにあった望遠鏡で流れ星を探します。
「あった!」
メンシーは急いで望遠鏡から目を離して、
「たくさんの宝石が欲しい」とお願いしました。
願いごとをしたメンシーはすっかり上機嫌になって近くの砂浜に移動しました。「あれ?こんなところで何してるの?」
メンシーは砂浜にいた宇宙人の子供たちに声をかけました。
「な、な、な、なんでもないよ・・・」
「何隠してるのよ?」
「みんな!逃げろー!」
「待てー!」
しかしメンシーは、宇宙人の子供たちに追いつくことができませんでした。
「ま、いっか」
そう言いながら、メンシーは砂浜に寝転がりました。
すると、空からいきなり真っ赤なリンゴが落ちて来て、
「いった〜〜い」
リンゴはメンシーの額に当たり、お腹をコロコロと転がり手にすっぽりおさまり
ました。とても甘酸っぱそうな真っ赤なリンゴ。
「いただきま〜す」
メンシーはリンゴを一口かじりました。
「おいしい!」
メンシーはリンゴを一気に食べきってしまいました。
リンゴのおかげかメンシーは力がみなぎり、もっといっぱい動ける気がしました。

よく晴れた次の日。目覚めたメンシーは
「今日は何をもらおうかな?」
リンゴのおかげで朝からやる気満々です。
メンシーは宇宙人の子供たちがたくさんいる街に出かけることにしました。
まず目をつけたのはかわいい髪飾りです。
「その髪飾り、私にちょうだい!」
髪飾りをした宇宙人の女の子はびっくりして急いで髪飾りを置いて逃げて
しまいました。メンシーは奪った髪飾りを早速自分の髪につけました。
「私がつけていた方が似合ってるじゃん」
満足げなメンシーはまた次の子を探しました。
「あれ? なんであの子の影はキラキラしてるのかな? よし!」
メンシーは手の部分の影がキラキラ輝いている宇宙人の女の子に駆け寄りました。そして女の子の手をグイッと引き寄せました。
「痛い、やめて!」
「そんなの関係ないでしょ。早く私にこのキラキラをちょうだい!」
「そんな言い方をしなくてもいいじゃない」
「だったら早くちょうだい!」
「もういい!」
宇宙人の女の子は自分が持っていたキラキラを怒ってメンシーに投げつけました。「いたい!」
しかし女の子は知らんぷりして行ってしまいました。メンシーはキラキラを拾い上げると、さっきまでの痛みはどこかにいっていました。
「これで私の影もキラキラになる」
喜んだメンシーは振り返って自分の影を見ました。
すると、自分の影は全くキラキラしておらず、
「わーーーっ! 何これ、どういうこと?」
メンシーの影は頭に大きなツノがあり、手にはするどい爪がありました。
「まるで悪魔じゃない!」
メンシーの影は悪魔のような形になっていたのです。
メンシーの足がガクガク震え出しました。
「一体何が起きたのよ。なんでこうなるのよ」
メンシーはパニックになりました。そして怯えながら家に帰りました。
家に帰ると、
「影がなくなった」
とメンシーは安心しました。

しかし翌朝、メンシーがベッドの上で起き上がると、
「痛い!痛い!一体なんなのよ!?」
メンシーは急に髪を引っ張られ引っ張られました。
なんと朝日で昨日の悪魔の影が復活していたのです。
何度も何度も髪を引っ張られるので、メンシーは髪をまとめるために髪飾りを
使いました。しかし髪をまとめても引っ張られる一方です。
痛がってもやめてもらえません。
そこでメンシーは床にある悪魔の影を手でたたきました。
しかし、自分の手を痛めただけでした。
メンシーは手をさすりながら、朝食を食べるためにダイニングに行きました。
いすに座り、目玉焼きをのせたパンを食べようとすると悪魔の影に目玉焼きを
横取りされてしまいました。
「私の大好きなたまごが!」
メンシーは悪魔の影と朝食の取り合いになり、結局パン一切れしか食べられませんでした。

グーグーグーグー。空腹のメンシーのお腹がなっています。
この日のお昼ご飯、夜ご飯もほとんど悪魔の影に食べられてしまいました。
グーグーグーグー。グーグーグーグー。
「お腹すいた・・・」
メンシーは空腹のまま眠りにつきました。
メンシーは口をむにゃむにゃしながら夢を見ていました。

夢の中では、月ではない他の星にいます。
そしてメンシーの目の前には、宝石の実がついた一本の小さな木がありました。「この木があれば、たくさんの宝石が手に入る。私の夢が叶ったわ!」
すると、足元から悪魔の影があらわれて、宝石の実がついた小さな木におおいかぶさり、一瞬にして枯らしてしまいました。
枯れ果てた小さな木を見てメンシーは泣いてしまいました。
あまりに泣きすぎて、涙で水たまりが出来ていました。
そして水たまりに自分が泣いている姿が映し出されました。
その姿を見たメンシーは、宇宙人の子供たちを思い出しました。
これまで何度も何度もメンシーが泣かせてきた子供たちです。
そしてメンシーは、宇宙人の子供たちにどれだけ悪いこと、嫌なこと、
そして嫌われるようなことをしてきたかに気づきました。

「ごめんなさい」
メンシーは涙をぬぐいながら目覚めました。
カーテンの隙間からは、昨日よりも太陽の光がまぶしく輝いていました。
メンシーは起き上がるとあることに気がつきました。
「あれ? 髪を引っ張られない!痛くない」
メンシーは髪飾りをつけ、急いでダイニングに行きました。
テーブルの上にはリンゴがあり、急いで食べました。
「あれ? ご飯が食べられる!」
メンシーは大喜びです。
うれしくなったメンシーは公園に出かけました。
気がつくと夕日がまぶしく輝いていました。
ドキッとしたメンシーは後ろを振り返り、おそるおそる自分の影を見ました。
細長い道にある影は悪魔の形ではなく自分の影でした。
それを見たメンシーは涙があふれました。
この涙は自分が流れ星に願いをかけた宝石よりもずっと美しく、輝いていました。

「日が暮れないうちに、みんなにあやまりに行かないと」
メンシーは宇宙人の子供たちのところに行き、今まで自分が奪ってきたものを
全て返しました。
「みんな、ごめんなさい!本当にごめんなさい!」
メンシーの言葉を聞いた宇宙人の子供たちはとても驚きました。
「わぁ、僕たちが流れ星にした願い事が叶った!」
「返してくれたし、あやまってくれたから許してあげる」
実は宇宙一大きな流れ星が降った夜、宇宙人の子供たち全員がメンシーの欲張りがなくなりますように、という願いごとをしていたのです。
その日の夜からメンシーと宇宙人の子供たちは仲良くなりました。
そして月の裏側の子供たちにもあやまり、月にいる子供たち全員と仲良くなりました。メンシーの家族もメンシーが変わったことで喜んでいました。

次の日、メンシーと宇宙人の子供たちは、流れ星に願いごとをした秘密基地に
集まりました。
「よし、ここでロケットを作ろう」
「ロケットで他の星の人たちと仲良くなろう」
「望遠鏡で行ける星を探そう」
「でもどうやったら他の星の人と言葉が通じるかな?」
「星語翻訳機があるじゃん!」
「あれを使えば、言葉が通じなかった宇宙人と仲良くなれるかも!」
メンシーと宇宙人の子供たちはいろいろな意見を出し合いました。

そして10年後、完成したロケットには112歳(18歳)になったメンシーと
18歳の宇宙人の友達が乗っていました。
「さぁ、出発だ!」
「5、4、3、2、1・・・」
大きな音とともに月からロケットが打ち上がりました。
さあメンシーたちが最初に行く星はどこなのでしょうか?
向かった星には小さな一本の木があるそうです。

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たった4つの文章でもほんの少しのアドバイスでアイデアが膨らみ、
言葉選びや順番もチェックできるようになります。

お子さんの作文・日記がサラッとしているな、
と感じているママさん、パパさん。
ご興味ありましたらさくさく作文教室®︎に遊びにきてください。


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