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恋愛「しない」若者たち

私は去年の夏から1年、マッチングアプリを使ってきた。

途中彼氏ができたり、アプリに飽きたりでやっていなかった期間もだいぶあるが、友人のプロフィールやメッセージをコンサルできるぐらいにはマッチングアプリ業界に詳しくなってしまった。

私がアプリを使用していた主たる理由は「彼氏がほしかった」ことであるが、アプリを介して、普段の生活ではけして交わることのないようなジャンルの人々と会話ができるのは単純に面白く、社会勉強になるので積極的にたくさんの方々と話をした。

今日は私がマッチングアプリを1年使ってメッセージや電話、時には対面で会話を重ねた方々や周囲の友人たちから考察した、最近の若者に共通する、恋愛の傾向についてお話ししたい。

インドの大学院で児童福祉の研究をしていた私の社会学的な観点も少し交えてみた。

(注:下記で書く「男」「女」「彼氏」「彼女」は内容を分かりやすくするためにカテゴライズしただけで、多様なアイデンティティや関係性を否定する意図は一切ありません。)

「彼女はいらない」男たち

人を好きになって、告白して、付き合って、お互いの気持ちがすれ違って、別れ話をして、一悶着あって、お互いに傷ついて、もう恋なんてしないって思って、時が解決してくれるのを待って、それでもまた人を好きになって。

この一連の流れはすごくエネルギーを使うし、しんどい。全体から見れば、楽しくてふわふわしてるピンク色の期間なんてほんの一瞬かもしれない。

私も過去にめちゃくちゃしんどかった恋愛はある。楽しかった感情と辛かった感情を割合にすると1:9くらいのやつ。泣いてばっかりだったやつ。何年経っても尾をひくようなやつ。

それでも、「もう恋なんてしない」と思いながらもまた人を好きになって、という流れを繰り返してはや29歳。

しかしマッチングアプリには、「彼女はいらないです」「都合の良い関係しか求めてないです」「めんどくさいこと抜きで」「長く続くセ○レが1人ほしいです」などという文言をプロフィールに掲げた男性陣がとても多い。

もちろんマッチングアプリの種類にもよる。「Omiai」でこんな事書いてる人はいないだろう。しかし、いわゆる真面目な出会いを求める層がよく使っているアプリでも、堂々とは主張しないものの上記のような目的の人は多く潜んでいる。

これらの自称「彼女いらない」男たちにはいくつかカテゴリーがある。
①モテるから色々な人と遊びたい
②めちゃくちゃモテる訳ではないけど恋愛がめんどくさい
③過去の恋愛で傷ついて臆病になっている


①〜③が混じりあっているパターンもある。
①に関しては私の口から語ることはない。同意のもとでご自由にどうぞ。
③に関しては、なかなか大変だろうけど、未来を信じてぜひ挑戦してほしい。

②の「めちゃくちゃモテる訳ではないけど恋愛がめんどくさい」人たちが人口的には最も多い気がする。彼らにとって恋愛の何が一番めんどくさいのか、それは関係性をきずくことだ。

職場、友人、家族など、人間関係にはいくつか種類があるが、こと恋愛においては深い関係性が求められる。他の関係性においては、多少相手のことが好きでなくても、まあしょうがないか、と思ってやり過ごすことはできる。

しかし恋愛ではそれができない。「好き」という感情のみでつながれた2人だからだ。

おしゃれなカフェでご飯食べて、夜景を見て「この後どうする?」ってだけが恋愛じゃないから、付き合っていく中でお互いのあまり好きじゃないところも見えるし、「恋の魔法で素敵に見えたけど、やっぱり人間的には尊敬できる人じゃないかもしれない」といきなり冷静になったりすることもある。

店員さんに「ごちそうさま」を言わなかったり、金銭感覚がずれていたり、食の好みが絶望的に合わなかったり、もともと赤の他人だった2人が別れることを決断する理由なんていくらでも出てくる。

膨大な時間とエネルギーと少なからずのお金をかけて1人の人と付き合って、愛をささやき合っても、別れた日から全くの他人、いや他人以下の関係になる。一切の連絡を取れないし、未来永劫また交わることはないのだから。

この一連の流れを「めんどくさい」と思うのは人として自然な気もする。しかし恋愛は理性でするものではないので、つらいな〜もういやだよ〜という思いとは裏腹に、また新しい出会いが訪れると本能で恋に落ちてしまう、そういうものだと私は思っていた。

先日、アメリカとカナダの有名大学で幼児教育や心理学について研究してきた方とお話しをした時に、「最近は深い関係を築ける大人が減っていて、それで結婚しない・できない人も増えている」ということをおっしゃっていた。その一因に、子どもの時の親との関係があるという。

人にとって一番最初で、一番重要な人間関係は親との関係だ。
幼児期に親から十分な愛情を注がれていないと、愛された感覚がないから「自分には価値がないから愛される訳がない」と思ってしまうらしい。

最近よく聞く「蛙化現象」も、これが理由の人が多いそうだ。(蛙化現象は、片思い中は相手に夢中だったけど、相手から好意を向けられた途端に相手が気持ち悪く思えてしまう現象のことです)

マッチングアプリで出会った人たちにこの傾向が当てはまっているかどうかは分からない。でもこういう事もあるんだな、と知っておくのは重要だと思う。

彼氏はほしいけど「恋愛がこわい」女たち

私の友人には、長年彼氏がおらず、恋愛をしようという姿勢がほぼ見られない女性たちが何人かいる。でも彼氏がほしいという言葉は時折耳にする。
彼女たちの選択を個人的にとやかく言う気はないし尊重したい。

でも、何が恋愛へのブレーキになってしまっているのか、という点については少しでも理解したい。私が考察した要因を3つに分ける。

①仕事がめちゃくちゃ忙しくて恋愛に向かう余裕がない
②自分に自信がない
③父親との関係がうまくいっておらず男性との関わり方がわからない

①〜③が絡み合っていることもあるし、他の要因もあるだろう。
①が主たる原因だとしたら、日本社会の働き方に警鐘を鳴らしたい。朝から晩まで仕事して、休日は疲れを取るのにせいいっぱいで、自分から出会いを求めに行く体力なんて残らないよね。よっぽど器用じゃないと。もう少し働き方をゆるくして、プライベートも楽しめる余裕ができてほしいですね。切に。

②の「自分に自信がない」に関しては、私もかなり当てはまる。私は恋愛においては特に、自信がなくなってしまうことが多い。人は足りないものばかり見える性質だから、自分にないものばかりが見える。

私も最近、例によって自信喪失モードに入っていた。もやもやするので滝が見える温泉に行った。
滝を見つめながら、「どうしてないものばかり見るの?こんなにあるじゃん!色々持ってるじゃん!」という天使の声が聞こえた。

これを読んでいるあなたも、自分が持ってるものに目を向けてほしい。私もがんばるから。20代前半のフレッシュさはないけど、大人の女性の落ち着きと包容力はあるよ。守ってあげたくなるタイプではないかもしれないけど、部屋に虫が出たら呼んでくれてええよ。.....あっ、すいません。こっちの話です。

あと、自信がないのは自分だけじゃない。相手も意外と自分に自信がないんです。不安なんです。人間だもの。だから、お互い変な見栄をはらなくていい。自然体でいこうよ。

③の「父親との関係がうまくいっていなく、男性との関わり方がわからない」に関しては、私の周りにそういう人が多かった。これも前述の子どもの時の親との関係の話に共通することだと思う。なかなか難しい事柄であって、私がどうこう言えることではない。

それでも恋愛してほしい

恋愛するのはこわい。たしかにこわいので、まずは相手と普通に話したり時間を一緒に過ごすことに慣れるといいかもしれない。

「慣れる」ためにマッチングアプリを活用して、メッセージのやり取りをしたり、電話したり、安全な範疇のデートに行ってみるのはどうだろうか。そこから素敵な出会いもあるかもしれないし。

何でこの記事を書いたかというと、やっぱり色々あるけど、みなさんに恋愛はしてほしいんです(誰だ)。

たしかに傷ついたり苦しい思いをすることも多いけど、恋愛を通して学べることってめちゃくちゃいっぱいあると思う。あとくされない都合のいい関係じゃなくて、「めんどくさい」関係でしか得られない充足感や安心や、心の琴線にふれる言葉のやり取りなんかも、あると思う。

マッチングアプリのことならいつでも相談にのるからさ。
プロフィール文とか最初のメッセージも一緒に考えるよ。
いつでも言ってくれよな⭐️

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