あの日、世界で一輪の名も無い花が咲いた

一切れだけパンをください
おっしゃる通り 私は物乞いです
蹴り飛ばされても 貶されても
別に構わないから パンを一切れだけ…

恵んでくれた人は一人も居ないけど
見慣れた怪訝な顔が 私から離れて行く
まるで黴菌(ばいきん)扱いでもいい …お腹が空いた

あの日、世界で一輪の名も無い花が
手折って 飾って 私を売って
一切れのパンを食すため 何でも売った
私の身体はゴミ捨て場にて棄てさられるのが
嗚呼 私には似合うそういう花…

今日も教会の鐘が鳴り
冷たい日々を私に与えてます
川の水で身体を洗うも
薄汚れた身体はキレイになりません

お腹は鳴るけど 喰える生ゴミも無くて
野良猫と取り合いする日々から離れられない
裸足から腐食する身体も …生きたいと云う

ある日、世界で一輪の名も無い花が
「私を売りな」と風に揺れてる
あぶく銭でも金になれば 買って来れるさ
あの硬くて それでも味のあるたった一切れも
嗚呼 手に入れるには自分を殺す…

パンが泥水に浸かっても 他人(ひと)に踏まれたって
いつか 黴(かび)の生えたパンも喰べなくて済むって
そう信じてるんだって 手の甲に落ちる泪が語ってる

ある日、世界で一輪の名も無い花が
私の目の前で花ひらいた
まるで幻でも見てる空気に染められ
あったかくて 差し伸べてくれる手もいつかあると
嗚呼 そんな優しい泪を流せたら
嗚呼 恵みの雨に唄っていたい… 唄っていたい…

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