江ノ島影絵
いわゆる 大学デビューしたあんたをもう忘れる
だから思い出の車両には乗らずに歩いて帰るわ
寒い寒い 長い長い この江ノ電沿いを
二人でし合った赤いマフラーは燃やしたのよ
風の噂であんたに彼女ができたって知って
噂って怖いものよね 煙だせば火もでるもの
江ノ電が通るたび 私の影を消してしまう
そんな江ノ島にも木枯らしが吹く 思い出拭うように
寒い寒い 長い長い 受験もあるんだし
よく通った喫茶のミルクティー嫌いになった
風の噂であんたと終ったと勘付いてから
噂って怖いものよね 尾ビレも背ビレも生えるの
東京は近いようで遠く 私の足じゃ無理ね
私は今 江ノ島に棲み着いている
来年 大学デビューする初冬の影絵の少女よ
息で手をあたためても 冷めるのはいつも心のほう
噂って怖いものよね 煙だせば火もでるもの
噂って怖いものよね 尾ビレも背ビレも生えるの
そして
そんなあんたの思い出さえも燃やしてしまえる
息で手をあたためても 冷めるのはいつも心のほう
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