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夏に読みたい!物語。 『ブルーラインから、はるか』 /児童文学賞受賞作品


 今週、青の装丁に惹かれて手に取り『ブルーラインから、はるか』を読みました。疾走感あふれる爽やかな友情物語。誰かに出会うことで広がった世界と今しか出来ない経験が詰まった一冊。この夏、ぜひみなさんに読んで欲しいイチオシ作品です。

林けんじろう/作 坂内拓/絵
ブルーラインから、はるか



誰かに出会うと なにかが変わる


絵本や児童書で“友だち”を描いたものといえば、教科書にも載っている がまくんとかえるくんのユーモラスな『ふたりはともだち』や、ヤギとオオカミのおはなし『あらしのよるに』などが思いつきます。ふたりだからだどりつく場所がある。そんな友情物語がわたしも大好きです。

『ブルーラインから、はるか』は二人の小学生コタと風馬がよく通う学校以外の場所で出会い (ココがいい!)、やがて自転車に乗ってかけがえのない体験をすることになります。相手との会話の掛け合いにより二人の距離がどんどん近づく様子や、困難を乗り越えるまっすぐな力がまぶしくてこの先どうなるのかと母親のような気持ちで夢中で読み進めました。

舞台は尾道。しまなみ海道の雄大な風景に尾道弁が温度を乗せて、物語独自のあたたかい世界感を醸し出しています。瓶のラムネのような爽やかさに加えて風を感じる疾走感があふれ、自分も一緒にペダルを漕いでいるよう。ときにはユーモアを忘れずにトラブルを乗り越える頼もしい二人。誰かに出会って変わる景色がある。しみじみ友だちっていいなあと思い、誰かにこの本を薦めたくなりました。新たなる友情物語がここに。夏休みに大人も子どもも楽しめる おすすめの一冊です。




お読みいただきありがとうございました。





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