さらぬわかれ

52

さらぬわかれ 51

「さくら、コウノシン『様』って呼んでるけど、身分が高い人だったの?」
栄子は少しでもヒントになることを聞き出そうとした。
「うん、コウノシン様はお武家さまだったの。本来はこんな田舎がとても似合わないひと。」
さくらは淋しそうに微笑んだ。

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さらぬわかれ 50

 さくらの言う「血だまりの中に…」という言葉に、栄子は違和感を抱いた。

「ねぇ、さくら。あなたはその人と一緒に心中したんでしょう?
『生き残った』ってどういうことなの?」
 栄子はさくらに掴みかかろうとしたが、実体のない体をすり抜け、泥濘に足を取られ再び転倒してしまった。
 さくらは栄子を立ち上がらせようと手を差し出しかけて、引っ込めた。

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さらぬわかれ 49

「私のもとに『あの人』を連れてきてくれれば、もしかしたら桜の木の祟りの縛りが解けるかもしれない。
元々は『あの人』の残留思念が私を桂から引き剥がしたようなものだから。」

「『あの人』って?」
栄子はさくらを質した。とても嫌な予感がする。
「コウノシン様。私と共に逝くはずだったひと。」

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さらぬわかれ 48

「私…今まで恒太がいるのが、当たり前だと思っていたんだ。でも私は…あまりにも恒太に依存していたって気付いてしまったの。」
栄子の声は震えている。

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さらぬわかれ 47

(ごめんね、恒太。)
 一応受験生なので嘘にはならないけれど、恒太を拒絶したことで、栄子の心は痛んだ。

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さらぬわかれ 46

「山村さん、お久しぶりです。」
 校長が校門で恭しく頭を下げ、山村という男性を出迎えた。40代前半位、田舎には似つかわしくない高級スーツを着こなしている。

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さらぬわかれ 45

 実際、恒太は友達と仲が良いにも関わらず、栄子や桂のことを優先してくれた。下手したら、恒太だって栄子と関わることでいじめられていたかもしれないのだ。

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さらぬわかれ 44

 安堵したのは、束の間だった。

 席に着くと、恒太は隣の鈴原と何か話していた。昨日のノートを取り出したから、借りたお礼を言っているのだろう。
 それだけのはずなのに、栄子はモヤモヤしていた。

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さらぬわかれ 43

 朝起きると、雨が降っていた。南の部屋も日差しがないので肌寒い。
 栄子は桂の上半身を起こし、肩掛けを掛けてやった。

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さらぬわかれ 42

──誰だ
私の眠りを妨げるのは。

あの人は私を血だまりの中に
置いていってしまったのに。

否、
私があの人を血だまりに
置いていったのだったか。

嗚呼、
もうそっとして置いてくれ…

眠りを妨げるのなら、
何人たりとも容赦はしない──

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