さらぬわかれ 4

きっと、実際は数分の出来事だったと思う。
でも、栄子にとってはずっと長い時間に感じた。

「おーい、待たせたな!」
男の子は、大人を数人連れて戻ってきた。

「チッ!何でこんなところに来たんだ。」
駐在らしき男が舌打ちしながら言い捨てた。栄子には、何のことかわからなかった。
「見かけない顔だから、こないだ越してきた家の子じゃないのか?」
中年の男が栄子の顔をまじまじ見てきた。

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