さらぬわかれ 5

桂は、大人たちによって診療所に運ばれた。

「特に異常はありませんね。」
と先生が抑揚なく言った。
「そんなわけない!これのどこが異常じゃないっていうの?」
栄子は先生のくたびれた白衣に掴みかかった。眼から涙があふれた。

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