見出し画像

マーケティング戦略の実行とSNS広告

 コンテンツ企業を対象に、DX支援などを行っているサクラス。なかでも最近は、デジタルマーケティングの領域における支援が増えている。そこで今回は、会社note事務局がサクラスのマーケティング支援の特徴について、代表にインタビューを行った。


―― 改めて、サクラスの事業内容について教えてください。

創業からコンテンツ企業のご支援を行ってきました。内容としては、新規事業の立ち上げや中期計画の策定、その実行支援まで幅広いものがあるのですが、なかでもデジタルやDXが絡むところを中心的に支援しています。ここ最近はデジタルマーケティングの領域が増えてきました。デジタルマーケティングといっても、サイト分析や広告制作など色々なものが含まれますが、なかでもデジタル広告の運用といった領域が非常に多くを占めています。


――デジタル広告の運用ですか。具体的には、どういった仕事なのでしょうか。

XやTikTokといったデジタルプラットフォーム上の運用型広告と呼ばれるものを販売して、広告運用の代理をしています。広告運用は、実は商品とマーケティング戦略の部分においてかなり密接に関わっています。単純な作業だけではなくて、そもそもその商材をどのようにお客様に手に取ってもらうか、知ってもらうかという根本の部分からクライアントのお客様と考えていかないといけないような仕事です。


―― なるほど。サクラスの主な仕事はコンサルティングという印象持っていたのですが、デジタル広告運用は広告代理店の仕事にも似ている気がします。なぜその領域を取り扱っているのでしょうか?

戦略を考える部分と実際に実行に移す部分において、特にデジタル広告は非常に密接に関わってくるからです。実例をそのまま言うと差し障りがあるので、あるアスリートのノンフィクション本を売ることになった話を例に出します。

当該本のマーケティングでは、その種目の競技人口を対象にしただけではどうしてもパイが狭くなってしまうんですが、そのアスリートの生き様そのものが注目されているような部分がありました。そのアスリートはかなり型破りなスタイルで、良くも悪くも話題になっており、いわゆる「炎上」をしながらも自分の生き方を貫いていました。

そんな選手のノンフィクションを出す際に、クライアントの担当者さんから「この本を買う人の層は果たしてその競技をやっている人だけなんだろうか?それだけではなくて、彼の生き様に注目しているビジネスマンに対しても本作を読んでもらえるんじゃないか」という話がありました。

そこで、競技者層と、著者の生き様に共感するビジネスマン層の両方をターゲットにして、それぞれ別のクリエイティブを用意して配信をしました。

従来広告でも、スポーツマン向けにスポーツ施設に広告を出したり、ビジネスマンに向けにそうした街に街頭広告を出したりなどターゲット層に応じて媒体を選定した広告配信はやってきたことだと思います。

けれど、広告がデジタル化された際、今回のような特定の競技の競技者層や、著者の反骨心に共感するビジネスマン層、SNSの社会問題に関心のある層、といったような、より具体的なターゲティングができるようになりました。ある競技を扱う場合でも、特定のチームを応援しているファンを狙うこともできますし、そうではなくて、学校の部活等で自らが参加している人を狙うこともできます。詳細な仕組みについてはまた別の機会に紹介したいですが、いずれにしても、どういう人に広告を出すのか、「人」に対して具体的に選んでいけるということです。

広告を見せる相手をそれだけ具体的に選ぶことができるということは、逆に言えば誰に対してこの本の存在を知ってほしいのかを、最初の段階で決めておく必要があります。その戦略的な構想と広告の運用部分とがリンクしている部分は非常に大きいので、その戦略を考えるパートナーとして広告運用をお手伝いするののは非常に相性がいいです。


――ありがとうございます。ちなみに、こちらの一件においてはXを活用した広告運用だったと伺っていますが、X特有の広告運用の特徴はありますか。

Xの場合の特徴は、みんなの関心に沿ったつぶやきやフォローの情報が収集されたデータが利用可能であるということが他の媒体にない特徴です。

また、Xは「モーメント」に強い媒体と言われます。先ほどの本などは結果的に非常に販売が好調だったと聞いていますが、当時はSNSによる過剰な誹謗中傷や出演者の自死等の痛ましい事件も結構あった時期でした。広告を一方通行の告知にせず、受け手と双方向のコミュニケーションにしていくというのはどの媒体でも共通ですが、当時、時代の流れとXとの相性も良かったのかもしれません。


――サクラスとして、今後の展望はありますか。

今後やりたいこととしては、3年前に比べたら大分、企業がその広告にSNSを使うことは一般化してきたんじゃないかと思うので、より広告らしくない手法で先を知ってもらうということを突き詰められたらいいかなと思っています。

昨年は、ゲームみたいな感じでクイズに答えてもらって賞品がもらえるとか、クイズに答えて自分にあった作品を見つけてもらうとか、そうした双方向のやり取りを通じて、結果的に作品を知ってもらうようなキャンペーンの仕掛けを少しずつ取り入れました。

やはり、SNS広告が一般的になればなるほど、広告っぽい告知が敬遠される傾向になっていくと思います。そのため、ユーザーの側に参加してもらって作品を好きになってもらったり、もともと知っている人が周りに広めてもらうことで、知っている人の輪が広がっていくようなところを今後はさらに強化していきたいと思っています。

――ありがとうございました。

(文/W.I)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?