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おとこらむ oto-column

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「音楽と鳥しんぶん」に連載されていたレコード研究家の音楽的日常のコラムが、noteマガジンでも登場!家人の夢の中で「あなたはレコードのマハラジャよ!」と美輪明宏さんに称賛された夏…
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#音楽

ピアニスト/ピアノ研究家の松原聡さんがベヒシュタインを弾きに来てくださいました

ピアニスト/ピアノ研究家の松原聡さんがベヒシュタインを弾きに来てくださいました

ピアニストであり、ピアノ研究家としても活動されている松原聡さんが、白金ピアノスタジオにベヒシュタインを弾きに来てくださいました。

松原聡さんはピアノ研究家として、様々なメディアで執筆活動をされている方なのでピアノについて大変お詳しく、逆にベヒシュタインのピアノの歴史についてたくさん教えていただきとても勉強になりました。

そして、実際に演奏もしていただいたのですが、松原さんの優しいタッチに、スタ

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ショパンの孫弟子による伝説のノクターン

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤⑤

ラウル・フォン・コチャルスキ(1885-1948, ポーランド )
ショパン「夜想曲第2番変ホ長調 作品9-2 (ヴァリアント付)」(1938年録音)

● ショパンの高弟カロル・ミクリにショパン伝統の継承者として育てられたサラブレットであるコチャルスキによる伝説的なSPレコード。聴き慣れないヴァリアント(装飾音)は、ミクリがショパン自身の演奏を聴い
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巷に雨の降る如く〜ドビュッシーのピアノ

巷に雨の降る如く〜ドビュッシーのピアノ

ビュッシーのショパン演奏を聴いたことのある者たちは、ハンマーを意識させない程のビロード・タッチと、溢れ出る泉のようなその響きを生涯忘れることが無かったという。それもそのはず、ドビュッシーはショパンの弟子であったフレーヴィル夫人にピアノを習っている。ドビュッシーの才能が、この夫人からショパン演奏の秘密を多く吸収していた事は容易に想像されるのである。
確かにドビュッシーのショパン演奏なんて想像しただけ

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19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤④ フランシス・プランテ

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤④

フランシス・プランテ (1839-1934, フランス)
ショパン「練習曲 ハ長調 Op.10-7」(1928録音)
https://youtu.be/UOVs526XWJw

●ショパン自身のピアノ演奏を聴いたことがあるとされる唯一のピアニストによるショパンのレコード。この最晩年の演奏は、スイスの自宅までコロムビアが機材を運び込んだ甲斐もあり、愛用
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19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤③ モーリッツ・ローゼンタール

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤③
モーリッツ・ローゼンタール(Moritz Rosenthal, 1862-1946, ポーランド)

●ショパンの弟子であるカロル・ミクリと、フランツ・リスト本人に学んだポーランド出身でアメリカで活躍した伝説のヴィルトゥオーゾ。若い頃はその超絶技巧的な演奏が過ぎて、評論家から苦言を呈されるほどでしたが、成熟するにつれて詩情溢れるショパン弾きとして、パハ
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19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤② ピアニストとしてのセルゲイ・ラフマニノフ

19世紀生まれのピアニストによる歴史的名盤②
セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninoff, 1873-1943, ロシア)�
●現在、ラフマニノフは大作曲家として親しまれていますが、当時は超絶技巧のピアニストとして高い評価を得ていました。
当時のラフマニノフ作品は、スクリャービンやストラヴィンスキー、プロコフィエフなどの同時代作曲家たちに比べて、チャイコフスキーなど全世代に連な
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