2024年5月の記事一覧
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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第64番 時の移ろい (Sinfonia No.64 "Tempora mutantur", 1773)
交響曲第64番は自筆譜は残っていませんが、残されているパート譜の紙の研究から1773年ころの作曲だと考えられているそうです。1773年というと、ハイドンさんの「疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドラング)」時代ですね。 また、愛称の「時の移ろい」は、ハイドンさん自身がつけたもので、1960年代に発見された楽譜に「Tempora mutantur, et.」と記載されたラベルが貼ってあったそうです。 この「時の移ろい」(Tempora mutantur)とは、16世紀後半から
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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第63番 ラ・ロクスラーヌ (Sinfonia No.63 "La Roxelane", 1777)
交響曲第63番の第1楽章は歌劇「月の世界」(Hob.XXVIII : 7)の序曲から転用されています。クラウディオ・アバド(Claudio Abbado)さん指揮ヨーロッパ室内管弦楽団(Chamber Orchestra of Europe)の演奏です。 また、第2楽章はこの交響曲の愛称「ラ・ロクスラーヌ」の由来となった楽章だと言われています。「ラ・ロクスラーヌ」とは、16世紀のオスマン帝国スレイマン1世の皇后ロクセラーナことヒュッレム・ハセキ・スルタンのことです。 そし
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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第60番「うすのろ」 (Sinfonia No.60 "Il distratto", 1774)
交響曲第69番は、ハイドンさんがエステルハーザ劇場の音楽監督をしていた時代である1774年ころの作曲のもので、日本語での愛称が、「うかつ者」「迂闊者」「愚か者」「うつけ者」「迂闊な男」「うっかり者」「ぼんやり者」「うすのろ」などいろいろあります。 日本語版ウィキペディアによると「本作は、フランスの劇作家ジャン=フランソワ・ルニャールが1697年に書いた喜劇『ぼんやり者』(Le Distrait)をドイツ語に翻案した『うかつ者』(Der Zerstreute, 全5幕)のため
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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第55番 校長先生 (Sinfonia No.55 "Der Schulmeister", 1774)
交響曲第55番も残された自筆譜から1774年の作曲であることが分かっているそうです。「校長先生」という愛称も、ハイドンさん自身がつけたわけではなく、第2楽章の折り目正しいリズムから、その名前がついたと言われています。この愛称のおかげで、第55番が有名なったとも言われています。 後世の変ホ長調の交響曲というと、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」が有名ですが、あちらは英雄、こちらは校長先生で、たまたまですがハイドンさんらしい気がします。ちなみに、他の変ホ長調の交響曲には、モー
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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第53番 帝国 (Sinfonia No.53 "L'impériale", 1779)
ハイドンさんの「疾風怒濤(シュトゥルム・ウント・ドラング)」時代の次は、オペラやマリオネットの劇場であったエステルハーザ劇場の音楽監督の時代になります。この時代の交響曲は、オペラチックな傾向が強くなります。本日ご紹介する第53番「帝国」も例のごとく、自筆譜が存在しませんが、この劇場時代に作曲されたものと考えられています。 ところで、これまで「自筆譜がない」という話がたびたび出てきていますが、それは1779年にこのエステルハーザ劇場が火事で燃えてしまい、楽譜も一緒に燃えてしま