さくら Music office

さくら Music office

マガジン

  • 本日の一曲 ハイドン・シリーズ

    多作であるハイドンの曲を一日一曲ずつ聴いていきましょう。

  • 本日の一曲 20世紀第3四半期の音楽

    連載「本日の一曲」のうち、1951年~1975年の音楽をまとめました。

  • 本日の一曲

    さくらMusic officeでは、新企画「本日の一曲」をスタートしました! この「本日の一曲」では、ジャンルにこだわらず、時にはアーティストや時代背景にも触れながら、誰もが知るヒット曲から隠れた名曲まで幅広く音楽を発信して参ります。 ご覧の皆さまからの音楽情報も取り入れ掲載いたしますので、事務局HP(http://sakuramusic.jp)お問合せフォームまたはoffice@sakuramusic.jpまでお送りください。

  • 本日の一曲 20世紀第4四半期の音楽

    連載「本日の一曲」のうち、1976年~2000年の音楽をまとめました。

  • 本日の一曲 21世紀の音楽

    連載「本日の一曲」のうち、21世紀の音楽をまとめました。

最近の記事

本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第32番 ティンパニとトランペット (Sinfonia No.32, 1760)

交響曲第32番は、また時代が戻り、モルツィン家時代の作曲になります。ティンパニとトランペットが大活躍するので、祝祭的な場面で演奏されたのではないかと考えられています。 交響曲第32番ハ長調(Sinfonia No.32 C Dur, Hob.I:32) 第1楽章 Allegro molto このアダム・フィッシャーさんの演奏でも、何事かと思うくらいティンパニが全面に出ています。 第2楽章 Menuet & Trio 通常とは異なり、メヌエットがアダージョより先に来ています

    • 本日の一曲 vol.262 打首獄門同好会 音楽依存症生活 (2013)

      打首獄門同好会については、以前ご紹介しました。 本日ご紹介する「音楽依存症生活」は、音楽ファン、あるいは音楽を日常的に鑑賞している人々にとっての真実を指摘した歌が歌われています。 音楽に魅入られた俺達は 耳の穴から注いだ何かを どういうワケだか力に変えてる 音楽依存症の俺達は 今日も不快にまみれた世界を テンションだけで切り抜ける テンションだけで乗り切れる 音楽のリスナーは、耳から入ってくる何かによって、なぜか気持ちが変化して、その変化を享受しているわけです。 リ

      • 本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第31番 ホルン信号 (Sinfonia No.31 "Hornsignal", 1765)

        交響曲第31番も1765年のエステルハージ家副楽長時代に作曲されました。愛称の「ホルン信号」はホルンが大活躍するからで、当時楽団にホルン奏者が4人いたことから、彼らのために作曲されたものだと思われます。各楽器のソロが多くフューチャーされており、協奏曲のようです。 別名には「狩場にて」(auf dem Anstand)や「ニュルンベルクの郵便ホルン」もあるそうです。 交響曲第31番ニ長調「ホルン信号」別名「狩場にて」(Sinfonia No.31 D Dur "Hornsi

        • 本日の一曲 vol.261 スリー・ドッグ・ナイト 喜びの世界 (Three Dog Night: Joy To The World, 1971)

          スリー・ドッグ・ナイトは、ちょっと変わったバンドで、一応、アメリカのロック・バンドとされており、ヴォーカルは、ダニー・ハットン(Danny Hutton, 1942-)さん、チャック・ネグロン(Chuck Negron, 1942-)さん、コリー・ウェルズ(Cory Wells, 1941-2015)さんの3人で、演奏する曲は、この3人がめいめいに気に入った他人の曲を持ち寄り、それをバンドで歌って演奏するというスタイルでした。本日ご紹介する曲などは、1971年に全米1位になっ

        本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第32番 ティンパニとトランペット (Sinfonia No.32, 1760)

        マガジン

        • 本日の一曲 ハイドン・シリーズ
          31本
        • 本日の一曲 20世紀第3四半期の音楽
          66本
        • 本日の一曲
          262本
        • 本日の一曲 20世紀第4四半期の音楽
          86本
        • 本日の一曲 21世紀の音楽
          49本
        • 本日の一曲 19世紀までのクラシック音楽
          43本

        記事

          本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第30番 アレルヤ (Sinfonia No.30 "Alleluja", 1765)

          交響曲第30番もハイドンさんエステルハージ家副楽長時代の1765年の作品です。第1楽章にグレゴリオ聖歌の「復活祭のアレルヤ」の旋律が用いられているので、「アレルヤ」という愛称がついています。この旋律があるため、1765年の復活祭の日曜日に教会で使用された可能性があるとのことです。 ただ、筆者の力不足で、この旋律を使っているグレゴリオ聖歌の音源が見つかりません💦 交響曲第30番ハ長調「アレルヤ」(Sinfonia No.30 C Dur "Alleluja", Hob.I:

          本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第30番 アレルヤ (Sinfonia No.30 "Alleluja", 1765)

          本日の一曲 vol.260 ファンカデリック エレクトリック・スパンキング・オブ・ウォー・ベイビーズ (Funkadelic: The Electric Spanking Of War Babies, 1981)

          ファンカデリックは、ジョージ・クリントン(George Clinton, 1941-)さんがリーダーを務めるバンドで、同じくパーラメント(Parliament)と並んで、「Pファンク軍団(P-Funk Collective)」と言われていました。2つのバンドが並行して存在していた理由は、レコード会社との契約関係でもめたから、ということだったようです。 源流は、1950年代後半に結成されたドゥーワップのヴォーカル・グループ「ザ・パーラメンツ(The Parliaments)」

          本日の一曲 vol.260 ファンカデリック エレクトリック・スパンキング・オブ・ウォー・ベイビーズ (Funkadelic: The Electric Spanking Of War Babies, 1981)

          本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第29番 奏者不在 (Sinfonia No.29, 1765)

          交響曲第29番も、1765年の作品でエステルハージ家副楽長時代の曲です。全楽章を通して、高音部と低音部、あるいはメロディーと伴奏という役割分担がなされていることがよく分かる曲になっています。おもしろいのは第3楽章のトリオで、メロディー奏者不在となる異常事態発生となっています😄 交響曲第29番ホ長調(Sinfonia No.29 E Dur, Hob.I:29) 第1楽章 Allegro ma non troppo ヴァイオリンとオーボエで共有するテーマが提示され、ヴァイオリ

          本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第29番 奏者不在 (Sinfonia No.29, 1765)

          本日の一曲 vol.259 アップル・ミュージック 雷の音 (Apple Music Playlist: Thunderstorms, 2024)

          なにかとお思いになるかもしれませんが、アップル・ミュージックのプレイリストに「雷の音」というのがありましたので、これをご紹介します。なにかと言いますと、「雷雨」の音を集めた環境音です。音楽ではありません。人によって雷雨の音をどう感じるのかはそれぞれだと思いますが、筆者などは、閉じ込められた密室感といいますか、閉塞感といいますか、胎児がえりの感覚なのか、そんな感じがします。 アップル・ミュージックに限らず、YouTubeなどでも「雷の音」などで検索すれば出てきますので、その他

          本日の一曲 vol.259 アップル・ミュージック 雷の音 (Apple Music Playlist: Thunderstorms, 2024)

          本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第28番 運命 (Sinfonia No.28, 1765)

          第28番から第31番「ホルン信号」までは、自筆譜からエステルハージ家時代の1765年の作曲であることが分かっているそうです。第21番から第24番までが1764年の作曲でしたので、その翌年の作曲ということになりますね。この第28番は一つのリズムを繰り返して曲を構築するという手法が使われています。 交響曲第28番イ長調(Sinfonia No.28 A Dur, Hob.I:28) 第1楽章 Allegro di molto タンタタタ タンタタタという3拍子のリズムが躍動する

          本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第28番 運命 (Sinfonia No.28, 1765)

          本日の一曲 vol.258 パット・メセニー・グループ クリス (Pat Metheny Group: Chris, 1985)

          パット・メセニー・グループは、1954年生まれのアメリカのギタリスト、パット・メセニー(Pat Metheny)さんのグループです。 本日ご紹介する「クリス」は、1985年公開、ジョン・シュレンジャー(John Schlesinger)さん監督の映画「コードネームはファルコン(The Falcon and the Snowman)」で使用された曲です。 この映画は、ソ連のスパイとなってしまったアメリカ人青年のお話です。パット・メセニーさんは、この映画のサウンドトラックとし

          本日の一曲 vol.258 パット・メセニー・グループ クリス (Pat Metheny Group: Chris, 1985)

          本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第27番 ヘルマンシュタット (Sinfonia No.27 "Hermannstädter", 1760)

          交響曲第27番は、またモルツィン家時代のものになります。1946年に、ルーマニアのシビウ(ヘルマンシュタット)近郊でハイドンの新しい交響曲の1786年の筆写譜が発見されたと報じられ、1950年1月29日に「初演」されましたが、後からその曲は交響曲第27番だったことがわかったというエピソードがあります。 前に第25番のところでご紹介した動画も第27番でしたね😄 交響曲第27番ト長調(Sinfonia No.27 G Dur, Hob.I:27) 第1楽章 Allegro m

          本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第27番 ヘルマンシュタット (Sinfonia No.27 "Hermannstädter", 1760)

          本日の一曲 vol.257 ジョニ・ミッチェル ウッドストック (Joni Mitchell: Woodstock, 1970)

          ジョニ・ミッチェルさんは、1943年11月7日、カナダのアルバータ州フォート・マクラウドに生まれたアーティストです。 ジョニ・ミッチェルさんは18歳のころからライブ活動を始めるとともにアルバータ芸術大学に進学し美術を学びましたが、20歳のとき1年生で中退し、フォーク歌手になりたいということでライブ活動に没頭しました。21歳のとき1965年2月、当時の恋人との間で女の子を出産しましたが、育てられずに養子に出しました。その年の6月には、チャック・ミッチェルさんと結婚、23歳の1

          本日の一曲 vol.257 ジョニ・ミッチェル ウッドストック (Joni Mitchell: Woodstock, 1970)

          本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第26番 ラメンタチオーネ (Sinfonia No.26 "Lamentazione", 1768)

          交響曲第26番は、自筆譜は残っていないものの、1768年ころの作曲であると考えられています。1767年ころ以降は、ハイドンさんの「疾風怒濤(シュトルム・ウント・ドランク、嵐と衝動)」時代と呼ばれ、ハイドンさんの作風にロマンの風が起こってきた時代です。短調で始まる交響曲は、初出ではないでしょうか。 この交響曲には「ラメンタチオーネ」という愛称が付けられていますが、現存最古の筆写譜に「受難と哀歌」(assio et Lamentatio)と記されているそうです。第1楽章と第2楽

          本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第26番 ラメンタチオーネ (Sinfonia No.26 "Lamentazione", 1768)

          本日の一曲 vol.256 PRISM 風神 (1979)

          Prism(プリズム)は、1956年8月26日生まれのギタリスト和田アキラさんが中心になり、1977年にデビューアルバム「PRSIM」をリリースしたインストゥルメンタル・バンドです。当初は、キーボードの久米大作さんと伊藤幸毅さん、ベースの渡辺健さん、ドラムの鈴木徹さんに加え、四人囃子を脱退したギターの森園勝敏さんが参加していました。デビューアルバムには、名曲「LOVE ME」が収録されていました。 デビューアルバムリリースの後、セカンドアルバム「SECOND THOUGHT

          本日の一曲 vol.256 PRISM 風神 (1979)

          本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第25番 充実 (Sinfonia No.25, 1764)

          交響曲第25番は、作曲年代がモルツィン家時代のものかエステルハージ家時代のものかはっきりしないばかりか、ハイドン作なのかについても疑問をもたれていた曲です。これまで聴いてきた交響曲からすると、他人の作品と言われるほど違和感はないと思いますし、この交響曲を知らないクラシック・ファンに作曲家当てクイズを出したとすれば、ほぼハイドンという答えが返ってくるような気がします。 また、交響曲第33番と同時期に作曲されたという見解もあるようなので、第33番をご紹介するときに、聴き直してみ

          本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第25番 充実 (Sinfonia No.25, 1764)

          本日の一曲 vol.255 バッハ フーガの技法 (Johann Sebastian Bach: Die Kunst der Fuge d moll BWV1080, 1751)

          バッハのフーガの技法は、バッハの晩年に作曲が開始され、楽器の指定もなく書き進められて、バッハの死により未完となってしまった作品ですが、「クラシック音楽の最高傑作」とも呼ばれたりします。 「フーガの技法」とは曲名であり、テクニックなどの名前ではありません。CDのトラックの表記にも「Contrapunctus(コントラプンクトゥス、対位)」と聞き慣れない言葉が書かれていて、とっつきにくい感じがします。 20世紀のバッハ音楽の最大の演奏者グレン・グールド(Glenn Gould

          本日の一曲 vol.255 バッハ フーガの技法 (Johann Sebastian Bach: Die Kunst der Fuge d moll BWV1080, 1751)