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本日の一曲 ハイドン・シリーズ 交響曲第54番 ト長調 (Sinfonia No.54, 1774)

交響曲第54番から第57番までは自筆譜が残されていて、1774年の作曲であることがわかるそうです。これらはハイドンさんのエステルハーザ劇場時代の曲ですが、第54番は、第3版まで版を重ね、第3版ではフルート、トランペット、ティンパニが加えられてロンドン交響曲(第93番~第104番)以前では最大規模な編成になっているようです。曲の内容も、ベートーヴェンの登場を予感させる立派なものになっています。

また、第54番の調性はト長調ですが、ハイドンさんは、ト長調の交響曲を得意にしており、他には第3番、第8番「夕べ」、第18番、第23番、第27番、第47番、第81番、第88番「V字」、第92番「オックスフォード」、第94番「驚愕」、第100番「軍隊」があります。後世にもト長調の有名交響曲はあまりなく、ドヴォルザークの第8番やマーラーの第4番、ヴォーン・ウィリアムズのロンドン交響曲があるくらいです。

交響曲第54番ト長調(Sinfonia No.54 G Dur, Hob.I:54)
第1楽章 Adagio maestoso - Presto 第2版から付け加えられたという序奏部から始まり、タータラタッタッターという印象的なリズムに支配されたプレストが続きます。
第2楽章 Adagio assai 幸福感に包まれて始まり、途中短調部分をはさみ、ヴァイオリンのソロとデュエットで終わります。
第3楽章 Menuet & Trio. Allegretto 装飾音付きのハンマーアタックが印象的なメヌエットです。トリオではヴァイオリンとファゴットが同じメロディーを奏でます。
第4楽章 Finale. Presto タンタラタッタタンという第1楽章と似たリズムに支配された楽章です。

全集に取り組み中のトーマス・ファイ(Thomas Fey)さん指揮ハイデルベルク交響楽団(Heidelberg Symphony Orchestra)の演奏です。

(by R)

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