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読書

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活字中毒者の本にまつわるお話です
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2023年3月の記事一覧

【読書日記】「短歌のガチャポン」穂村弘

【読書日記】「短歌のガチャポン」穂村弘

良き詠み人であり、読み手でもある。
穂村弘を私は信頼している。

短歌を詠むことには何度もチャレンジし、挫折している。
考えてみれば誰に見せたこともなく、聞かせたこともないのだから勝手に自分でダメ出しし、勝手に挫折しているだけなので、前進後退の度合いがわかっていない。
こういうところが私には多々ある。

私の推している岡村靖幸のFC「DATE」(なんてロマンチックなFC名だと思いませんか?岡村はコ

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【読書日記】朝井まかて「ボタニカ」を読んで、朝ドラを予習してみる

人は好きという感情だけでその職を全うできるか。
私は研究職に憧れている。自分の好きなものを見つけ、それを一生の仕事として選び、研究し続ける。裏ましい限りだ。
実際、死ぬまで探究心を失わず、自分の研究に没頭し続けた人の話は尽きない。児童書の偉人伝など、そんな人々のオンパレードだ。
しかし、私も大人になって考えた。その周りの人たちに何か影響はないのだろうか、家族やら、親戚やら。

次期NHK朝ドラの主

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【読書日記】夏の情婦」佐藤正午

【読書日記】夏の情婦」佐藤正午

知り合いと佐藤正午の話になった。最近読んでいる小説は何かと私が聞き、佐藤正午を読んでいるという答えが返ってきた。交わした彼に対する感想は「佐藤正午は瑞々しい」で見事一致。
その時まで、私は佐藤正午の年齢を実際より10歳以上若く見積もっていた事に気づかされ、軽くショックを受けた。それから佐藤正午を積極的に読んでいる。
デビュー直後の恋愛短編集。もうすでに小説の巧みさは抜きん出ている。義理の兄の傘の話

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