霞床席(大徳寺玉林院の茶室)

▼最新バージョンはこちら↓
https://note.com/sakurada_wa/n/ne0c5efd90864

「霞床席(かすみどこせき)」

大徳寺玉林院の四畳半席。

同じく玉林院にある草庵茶室「蓑庵」と連携し、茶事で法要(仏事)を営むことができる施設として工夫されています。その際、この茶室は鎖の間として機能します。

内部は四畳半、土間廊下からの上がり口は二枚障子(貴人口)で一間の床を構え、床柱は端正な杉の磨丸太、床框には竹。地板を敷き、ほぼ中央の高さに違棚(ちがいだな)を設けます。

書院において通常は床脇に設ける違棚をあえて床に用いています。そして、床の間の壁に富士の絵を掛けると、この棚が霞のように見えるところからこの席名となったそうです。

天井は一面に格天井、蓑庵は長いすさを使った土壁が特徴的ですが、霞床席は張付壁(襖を張り付けたような壁)で上部にやや土壁の部分も。

蓑庵に対する書院の位置付けで、その対比が面白い茶室です。蓑庵とともに重要文化財に指定されています。

(大徳寺の茶室をまとめています↓)

・・

▼茶室建築のおすすめ本一覧です！↓