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京都にある茶室

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守るべき文化財の宝庫、京都に現存する茶室を集めました!
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2022年11月の記事一覧

藪内家 燕庵(古田織部の茶室)

「藪内家 燕庵(えんなん)」

茶道藪内流宗家を代表する茶室。

三畳台目に一畳の相伴席を付けた、いわゆる「燕庵形式」と呼ばれる形式で、古田織部の好みと伝えられています。

古田織部は利休七哲の1人にも数えられる茶人で、織田信長に従って戦功を重ねた武将でもありました。利休の死後は、豊臣秀吉の御伽衆(※将軍や大名の側近に侍して相手をする職名で相談役のようなもの)にも加えられ、茶の湯の名人として大いに

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不審庵(京都表千家の茶室)

「不審庵(ふしんなん)」

表千家を代表する茶室。

「不審庵」の名は利休の時代から使われ、利休大徳寺前屋敷の四畳半に額が掲げられており、その他にも「不審庵」と称する利休の四畳半はいくつかありました。

利休の子の少庵は千家を再興し、「深三畳台目(※利休大坂屋敷の茶室を再現したもの)」に不審庵の名を付けていたとされています(諸説あり)。

利休の孫の宗旦は、父である少庵の死後、利休所持の障子や躙口

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