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#妻

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第十六話 女はいつもどこかで、人生をリセットしたい

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第十六話 女はいつもどこかで、人生をリセットしたい

女はいつもどこかで、人生をリセットしたい

翌日秀吉は大そうご機嫌で、ニコニコしながらわたしのところにやって来ました。そしてわたしの手を取り、両手で包みました。
「さすが寧々じゃ。茶々をわしのものにしたぞ。
これも全部、寧々のおかげじゃ」

やっぱり、と一瞬目を閉じた後、すぐに笑みを作りました。
「それは、よろしゅうございました」
わたしは自分の手を握っている、秀吉の手に目を向けました。
皺が寄り

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第十五話 これが欲しいものを受け取る方法

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第十五話 これが欲しいものを受け取る方法

これが欲しいものを受け取る方法

天正十四年九月、秀吉は天皇から豊臣の姓をたまわりました。
十二月には太政大臣となり、ここに豊臣政権が誕生いたしました。
大阪城を居城にした秀吉は、この日本国で最大の権力者となったのです。
妻のわたしは、女性の最高位である「北政所」の称号を与えられました。
わたし達夫婦は、天下人になりました。

が、天下人の秀吉にも、まだ手に入れられないものがありました。
茶々様で

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リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第十四話 嫌な女ですか、わたくし?

リーディング小説「美しい子宮~寧々ね~」第十四話 嫌な女ですか、わたくし?

嫌な女ですか、わたくし?

秀吉は、お市様の自害がとてもショックのようでした。
「寧々、どうしてお市様は死なねばならなかったんだろうなぁ・・・」
ぼんやりした顔でつぶやくのでした。
お市様ロスが秀吉の心を虚ろにしていました。

彼はお市様が北ノ庄城から姫様達と出てこられるのを信じ、心待ちにしていました。
お市様はわたしが裏から手をまわし、柴田様の妻になりました。
その時の秀吉は、とんびに油揚げをさ

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