SakunationFirst

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最近の記事

「カプコンがMODをチート扱いしている」という言葉が独り歩きしてしまった件について―タイトルだけで拡散される哀しみ

メディアとは罪深い。記事のタイトルだけで印象を操作することができ、場合によってはおろかな人間を煽りたててしまうことすらある。 本稿では、上記の記事について、いちゲームライターである私の思ったことを記しておきたい。 例の記事は、カプコンが技術者向けに公開したチート・海賊版対策の動画の一部を切り抜いて発信したものである。この動画の本筋は、カプコンがチート・海賊版対策を内製化し、外部ソフトと組み合わせて使うことでより強固なプロテクトを築くことができる、という話しだ。 何故かG

    • UNISON SQUARE GARDEN -TOUR 2023 "Ninth Peel"感想

      UNISON初参戦の感想です。 音がでかくて良かった!!!!! MC無くて(90分ずっとデカい音に浸れて)よかった!!! 「歌え」とか「飛べ」とかなくて(勝手にこっちが楽しんでる感が)良かった!!!! 知ってた曲 ・シュガーソングとビターステップ ・Phantom Joke ・徹頭徹尾夜な夜なドライブ ・カオスが極まる 知らんけどすげえ良かったやつ ・他全部 以上!

      • ゲームメディアで“ニュース”を書くことに限界を感じた

        ニュースを書くことに限界を感じた。 そもそも、ゲームメディアで発信すべきニュースってなんだろう。「モンハンの新作が発表された」とか「ゼルダのDLCが開発中」みたいな、普段ゲーム情報を熱心に追っていない人でも興味がありそうなものは書くべきだと思う。 だけど、ゲーム会社自身から情報を発信できる時代だ。企業のTwitterをフォローしていればわかるようなことをコピペしたって意味はない。 じゃ、ゲームメディアがやるべきことってなんだろう。 そうすると、国内ゲームメディア「AU

        • 「すずめの戸締まり」に思う、3月11日をエンタメにすることの意味。

          新海誠作品ファンというわけでもないし、特に東北の人というわけでもない。 ただちょっぴり東北に思い入れがある東京の人が「すずめの戸締まり」を見てそのクオリティに感動したという話をしていきたいと思う。あ、ネタバレがあるので注意です。あと、あんまり推敲してない。本業ライターなのに。 閉じ師に思う、旅情まず、本作が震災をひとつのモチーフにしているということだ。震災をエンタメ作品として取り上げた例はそこまで多くないと思う。というか、実際に3月11日のことを描いた作品はほとんどないので

        「カプコンがMODをチート扱いしている」という言葉が独り歩きしてしまった件について―タイトルだけで拡散される哀しみ

          CD1枚のために茨城県まで行った話

          俺、東京に住んでる髭男ファンなんすよ。 あるCDの1曲が聞きたくて、茨城県まで行った話。 【なんのCDを借りに行ったの?】「FM802×TSUTAYA ACCESS! SPECIAL EDITION 2019」 https://www.barks.jp/news/?id=1000166493 というCD。詳しくはリンク先を見てほしい。 その中の「メロンソーダ」という曲が死ぬほど聞きたかった。 aikoが作詞作曲した曲に、様々なアーティストが参加していて、その中に髭男のボー

          CD1枚のために茨城県まで行った話

          【批評】モンスターハンターは死んだ

          はじめに長らく、モンスターハンターワールドに対する評価を下しかねていた。 一旦は、時代についていけず、「私は懐古主義者だったんだ」というネガティブな自己嫌悪に陥ったりもしたが、アイスボーンの発売を経て、合計約500時間に渡ってプレイした今、もう一度、このゲームに決着をつけたいと想い、筆を執った。至って冷静に、時間をかけて考え抜いた、モンスターハンターワールドと私の決着を付ける、大切な文章だ。 ひとつ勘違いしてない欲しいのが、今このゲームを楽しんでいる人らを貶める目的は毛頭ない

          【批評】モンスターハンターは死んだ

          セトリで振り返るヒゲダンフェス

          2020年8月10日 TBS「CDTVライブライブ」で前代未聞の「ヒゲダンフェス」が開催されました。4時間の特番で1時間を髭男に割いてくれるの、ファンとしては嬉しすぎるでしょ。 というわけで今回は、セットリストと共に見どころを振り返っていこうと思います。 1.HELLOこの放送の数週間前のMステでも披露された「HELLO」めざましテレビのタイアップ曲です。 2Bメロの「人生に迷うたびに~」の「見失わないよう 確認しようよ」が音源と違う感じで歌ってましたね。こういうライブア

          セトリで振り返るヒゲダンフェス

          アクションゲーマーが見た対馬の大地:Ghost of Tsushimaレビュー

          「刀」と「地」。 私はこのゲームに「アクション」を求めてプレイした。 時代劇ゲームだとか言われているが、時代劇に興味はないし、黒澤明監督の作品も一本しか観たことがない。日本語のはずなのに耳馴染みのない言葉回しは私の興味を削ぐし、剣戟も血が飛ばないし、あまり魅力を感じなかったからだ。 刀を用いたアクションゲーム自体は、そこまで珍しくはない。GOTYに輝いたSEKIROも記憶に新しく、Ghostrunnerの発売も控えている。 しかしどれも、刀が主軸にあるとは言い難く、純粋に

          アクションゲーマーが見た対馬の大地:Ghost of Tsushimaレビュー

          もしPart3があっても、私が手に取ることはないだろう。

          ※この記事には「The Last of us Part2」のネタバレを含みます 肉を抉り、脂を侵す刃の音、血が滲む水辺、吐瀉物か、血液か、何かしらの液体が古びた床に叩きつけられる音。耳鳴りを誘う銃声、この情報の濁流を、地獄と呼ばず何と呼ぶ。 ゲームに対して求めるものは人それぞれあるだろう。私の場合は「人生の糧」だ。 「やってよかった」と思える体験を、ゲームに求めている。 苦痛に顔を歪めながら首を絞め落とすエリ―を見たくはなかったし、考える暇も与えない暴力の連鎖にどっぷり

          もしPart3があっても、私が手に取ることはないだろう。

          どうぶつの森初心者が博物館を建てるまで

          「何していいかわからない」 こでの生活は自由だ~と言われてキャンプファイアーをした翌朝、途方に暮れていた。 近年のゲームはたいてい、左上に「●●へ向かえ」だの「●●に話しかける」だの、目的が表示されているが、このゲームはそうではない。 とりあえず、偉そうな狸がいるテントに入ってDIYしてみる。 釣り竿と虫あみを作れるが、そんなもの微塵も興味がないので、他にできることはないのかと、ウロウロしてみる。 バーバラとハム吉に無駄に話しかけてみたり、海沿いを走り回ったり、雑草をひ

          どうぶつの森初心者が博物館を建てるまで

          FF7Rレビュー:アクションはダメだが、体験としては素晴らしい

          35時間程度でクリアした直後のこと、オフゲーとして数年ぶりに「隅々まで味わいたい」と思うことができた。やりこみを初めて合計60時間を経た今でも、その気持ちは変わらない。「分作だから」という理由だけでこのゲームをスキップするのはあまりにも勿体ない。 発売前、FF7Rに大きな期待を寄せていた。 何故なら、RPGであると共に、アクションの要素も兼ね備えているからだ。 私の好きなゲームは、モンスターハンターやデビルメイクライといったアクションであり、自らの手でキャラクターを動かし、

          FF7Rレビュー:アクションはダメだが、体験としては素晴らしい