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その少年を何かに例えるとするならば、ムーミンに出て来るスナフキンの様だというのが一番し…
港の近くの広い空地に寅二の働く工場はある。 寅二の仕事は工場の中での雑用とか、廃材の処理…
毎年、夏が来るたび、思い出すことがある。 それは僕がまだ若い頃、将来の夢や展望を何も描け…
遠去かるあなたの足音を聞くたび、わたしは寂しい気持ちになる。それはいつも夜明け頃に訪れる…
四月に入ったというのに今朝方は寒かった。昨日もよく似たもので、ベッドを抜け出したとき、ブ…
1 【失恋タクシー その前 作 上野紗妃】 「どういうことなの?」 立花春華の鋭い声…
僕達は黙ったまま歩き続けた。他に人も車も通らない周りを木立に囲まれた静かな長い一本道だ。僕は道の右端を彼女は道の左端を歩く。その距離はおそらく2メートルと少し、お互いが手を伸ばせば指先が届くか届かないかの距離だ。本当は彼女の顔を見た瞬間から駆け寄って直ぐにでも抱きしめキスをしたかった。でも出来なかった。今はそれを人がしてはいけない事になっている。例えばそれが命令だったら僕はそんなものクソ食らえとばかりに心の思うまま衝動に身を任せ今すぐ彼女と抱擁と接吻を繰り返していたはずだ。な
ここは郊外の閑静な住宅地 その中の一件に結婚10年目を迎える良樹と菫(すみれ)は住んでいる…
『早希さん、こんにちは 3月になり気候も少しづつ春めいて来ましたね。 その後お元気にしてま…
5年程前 あるアーティストのライブ会場で たまたま隣り合わせた男性と 演奏を聴いてる内に 腕…
東京に戻った翌日 学生時代の先輩Nさんから 呼び出しを受けた Nさんとは あくまで先輩後輩とい…
年末年始 実家に帰省してました 家には一人暮らしの父がいるだけ ほぼ2年ぶり 帰郷と言って…
上野紗妃 著 それは12月の寒いある夜の事 私はその日会社を定年退…
私が兄に疑問を抱いたのは、今から約半年前の事。 その日私は洗濯物を置きに留守中の兄の部屋に入ったのだ。 五つ年上の兄は真面目で大人しく、学生時代の成績も優秀だった。 綺麗に片付いた部屋の中、私は箪笥の引出しの中にそれを見つけた。 女性用の下着 勿論、私のものではない。 私はいろいろ考えを巡らしてみた。 まず、第一に下着泥棒の疑いはすぐに消した。 兄はそんな事をするタイプではない。 では、第二、カノジョのものか? ところが兄にカノジョがいる気配はどう考えてみても思いつ