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帰省

年末年始
実家に帰省してました
家には一人暮らしの父がいるだけ
ほぼ2年ぶり

帰郷と言っても
電車で2時間程の距離

家に帰っても
父と私はあまり会話をしない
何となく気詰まりで
私は私の部屋に
籠もってしまう

父は一人で
スーパーで買った
おせちをつつき
テレビのお笑い番組を
はしごしていた

簡単なお雑煮と
お惣菜を作ってあげたら
父は微笑んで
それを食べていた
眼鏡の奥の瞳は
昔のままだ

私は私で
仲の良い幼馴染みに会ったり
母親の墓参りに行ったり
親戚に挨拶したり
のんびりと
静かなお正月を過ごす

故郷の街は
相変わらずの様だが
角のコンビニが無くなったり
ショッピングセンターが出来てたり
知らない間に
少しずつ変わってる

私の部屋は
以前のままだけど
何だか小さく感じる
ベッドの敷布団や枕は
暫く使わない間に
少し硬くなってて
妙に寝苦しかった
そんな風にして
2、3日が過ぎた

父とは特にこれといった話もせず
帰省ラッシュが始まるからと
言い訳をして
早々に東京に戻ると告げた
父はちょっとだけ
見送りに出たが
特に何も言わず
頷いた

老け込むにはまだ早いと思うが
座ってる背中が
何となく
以前より丸くなったし
頭にもチラホラ
白いものが目立つ様になった

少しずつ何かが
変わって行く

今度会う時は
いつになるだろう
元気でいてくれれば
それで良い

都内のマンションに戻り
ゆっくりお風呂に浸かって
いつものふわふわした枕の
温かいベッドに潜り込み
人は何故帰省するかについて
思いを馳せてみた


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