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園子シリーズ

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学園もの。自死したと伝えられる美少女園子にまつわる。謎めいたミステリーホラー。
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#創作

七年後、ソノコふたたび…… 全文(12964文字)

七年後、ソノコふたたび…… 全文(12964文字)

 丘の中腹にある小さな駅、そこから坂道を登って行くと白い校舎がある。あたりを広大な森に囲まれた城壁の中に三つの棟があり、一番高い棟の西端に鐘楼がある。校舎の南側に沿ってそれぞれテニスコートやグラウンド、体育館などが併設されている。『私立白樺女子学園』その高等部に丘 絵里は勤務している。
 縁あって母校に就職出来て三年目を迎えた。現在は新米の国語教師だ。それまでは図書館で司書の仕事をしていた。
 在

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七年後、ソノコふたたび……  後編

七年後、ソノコふたたび…… 後編

 
 理事長室を出た絵里が、廊下の角でぶつかった相手は、園子にそっくりな少女、鈴木沙耶香だった。

「すみません。あっ」謝った沙耶香は右肩を押さえて顔を顰めた。
「肩を打ったのね、何を急いでいたの?」
「いえ、部活の練習に行こうとしてて……」
「そう、とりあえず、一緒に保健室に行って診てもらいましょう。部活の方は後でわたしからちゃんと説明するわ。これでも演劇部のOBなのよ」
 沙耶香は頷いて立ち上

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七年後、ソノコふたたび……  前編

七年後、ソノコふたたび…… 前編

 丘の中腹にある小さな駅、そこから坂道を登って行くと白い校舎がある。あたりを広大な森に囲まれた城壁の中に三つの棟があり、一番高い棟の西端に鐘楼がある。校舎の南側に沿ってそれぞれテニスコートやグラウンド、体育館などが併設されている。『私立白樺女子学園』その高等部に丘 絵里は勤務している。
 縁あって母校に就職出来て三年目を迎えた。現在は新米の国語教師だ。それまでは図書館で司書の仕事をしていた。
 在

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五年後、カコ......

五年後、カコ......

 山の中腹にある校舎、そこから森の小径を通った高台にその館はある。私立白樺女子学園の理事長・源財芳子の邸宅である。
 絵里はその邸宅に向けて歩を進めた。訪ねるのは理事長ではなくその孫娘の華子。絵里とは学園在学中からの親友である。
 二人とも演劇部に籍を置き、輝かしいとまでは言えないものの楽しくも有意義な日々を共に過ごした。ある一点を除いては。
 扉を叩くと華子の母未来が出迎えてくれた。華子の部屋へ

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三年後、ショウコ......

三年後、ショウコ......

 星井翔子はお嬢様学校と呼ばれるその学園に進学すると、どのクラブにも所属せず『ミステリー研究会』なるものを立ち上げた。
 幼い頃より謎めいたことがあると極端に興味を示し、それを解明することに執念を燃やすのだ。この学園に進学したのもここにまつわる七不思議と呼ばれる怪奇現象について調査をしたくて仕方がなかったからだ。
 現在のところ部員は代表の翔子の他にもう一人、ミステリー小説おたくの早戸千里がいるだ

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一年後、ユウコとレイコ......

一年後、ユウコとレイコ......

「ここってさ……」
恐る恐るゆっくりと辺りを見回しながら、ユウコは言う。
「何? やだ、何かあるの?」
怖がり屋のレイコは小さく身震いしながらユウコの左腕を掴むと身を屈めた。
「去年あの事故があった場所だよね」
「えっ、あの事故?」
二人は学園からの帰り道、丘の中腹にある駅舎のホームにいる。もうすっかり日は沈んでいた。
「ほら、演劇部の副部長してた子が走って来た電車に飛び込んで自殺したところよ」

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ソノコ......

ソノコ......

 夏の終わり、小高い丘の中腹にある小さな駅舎。近くにお嬢様学校と言われる学園があり、朝晩のホームはそこの女子生徒達で溢れかえる。しかし今は夏休み中であり人影もまばらだ。そして時刻は午後の八時を回り、辺りは森々とした闇に包まれていた。ホームの先にポツンと佇む小さな灯火の中を小さな虫たちが円を描いている。
まもなく急行電車がこの駅を通過して行く、それを見送ってから園子が乗るべき各駅停車が到着する。園子

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