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七咲
2019年1月21日 00:39
あの恋を忘れるために好きになった。ただそれだけ。ぬちゃぬちゃした音とザラザラした感触が嫌いだ。気持ち悪い。こっちを見た時のジトりとした瞳に寒気がする。影ができるほど長いまつ毛に嫉妬した。頼りなく丸い背中に傷跡をつけた。『お前は身代わりだぞ』という小さな反抗だった。それでも、あなたの何もかも失ったままの格好で、永遠について語る様だけが酷く美しかった。薄い身体に寄り添うと、どうでも
2018年9月28日 21:14
朝か昼かわからぬ時間。ばたばたとお風呂場へ向かう君。朝シャンには遅いし、今日は特段汗をかくほど暑くはない。窓からは心地よい風がふき、陽気もぽかぽかとしてる。まるで青空の下にいるようだった。僕は、また眠気に襲われぼーっとしていた。すると、「ねえ、このシャンプー金持ちのオバサンみたいな匂いじゃない!?」君は、「嗅げ!」と言わんばかりにシャンプーを僕の鼻に近づけていた。