【シロクマ文芸部】生きられなかった金魚
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お題:赤い傘
赤い傘。赤い靴。雨粒と水溜まりを跳ねさせて、彼女が鼻歌を歌う。僕には聞き覚えもない、彼女だけの鼻歌。くるりと回された傘が四方八方に雨粒を撒いた。それはほんの一瞬だけ傘の赤を纏う。
まるで四方八方に、彼女が鮮血を撒いているように。
「なぁに?変な顔して」
「いや、別に……」
僕は余程おかしな顔をしていたのだろう。彼女は僕に振り向いて、甘い声で笑った。赤い傘。赤い靴。そして、ひらりと舞った彼女の赤いワンピース。
所々に純白が残った、赤いワンピース。
「私ね?今、金魚になった気分なの!」
ぴちゃ。ぴちゃ。びちゃ。びちゃ。水溜まりに反射した赤と、それを踏む彼女の赤い靴。つい数分前の光景が脳内で重なり、言葉は何も出てこない。
鮮血を踏みつけていた赤い靴が、赤の反射した水溜まりを踏みつける。見えてなどいないのに、水溜まりには鮮血が滲んで広がっていく気がした。
「ねぇ、捕まるまでの間、何しよっか?」
「……金魚だからなあ。海なんてどうかな」
「あははっ!いいね!じゃあ海に行こー!」
赤い靴。赤い傘。赤黒いワンピース。
金魚は淡水にも海水にも、生きられなかった。
赤い靴もあったので、合わせて金魚にしてみた。
あと今回使わせていただいた金魚の画像が、好みドンピシャの雰囲気で凄く好き。
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