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【ショートショート】余りものピザ

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 時刻はお昼の三時。キッチンに立つには中途半端な時間だが、小腹を満たすには丁度良いおやつ時。いざ、と冷蔵庫の扉を開けた。気分はさながら、宝箱を開ける冒険者だ。
 ひんやりとした冷気は、ここ最近の急激な暑さの加速についていけていない体に心地良い。ああ、いっそこの冷蔵庫に入ってしまいたい。最近急に暑くなり過ぎなんだよ。そもそも人の体は、と頭の中で愚痴が広がっていきそうになり急ブレーキ。ぺちぺちと頬を叩いてからお目当ての食材に手を伸ばした。

「何してんのー?」
「見て分からんかね~?」
「……ま、まさかっ……!」

 喉が渇いたとキッチンにやって来た彼。その顔に浮かんでいた疑問符は、並ぶ食材で確信と歓喜に変わる。
 ざっと並んだるは、余った餃子の皮・ケチャップ・チーズ・アルミホイルだ。そう、我が家の余った餃子や春巻きの皮の活用術。

「餃子の皮ピザを作るぞー!」
「よっしゃー!」

 歓喜のガッツポーズを確認してから、アルミホイルを敷く。その上に餃子の皮を並べ、ケチャップを塗り刺激的な色合いに。更にチーズを乗せればあとはトースターにインするだけ。
 じじじとトースターのつまみを捻り、温かな色の庫内でチーズがとろけるのを待つ。ケチャップが塗りきられていない部分の皮を、こんがりとさせるのがワンポイント。

 ちんと音を立て、出来上がりの合図。トースターから皿に移したそれをひとつ手に取り、ふーふーと申し訳程度の息を吹きかけ、いざぱくり。
 ぱりっとした皮とケチャップの甘みと酸味、そしてチーズの塩味が完全調和。口内で素晴らしい三ピースバンドが演奏を開始する。

「うめぇ~~~!もうこれ食いたいが為に餃子やってるまである!」
「百理あるっ!」



何ならピザの為に餃子の皮を買うまである。


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