美しい刺繍靴を履いた高貴なる姫君の唄 【短編小説】
これも「玩具」と同じく、個人フリーペーパー「さいきん」に載せたもの。
書き終わってからタイトル考えたけど、タイトルからはこの中身を連想できなさそう。
多分着想は国際ニュースだけれども、イメージソースは萩尾望都×光瀬龍の「宇宙叙事詩」の中の一編な気がする。
はるか二千年の昔、争いを忌んだ姫君は、ひと一人ぴったり収まる小舟に乗って、地中にお隠れになってしまった。その小舟の中で姫君は、死者のように横たわって指を組み、死んだように眠った。閉ざされた場所で、夢は明るい未来の気配に満