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Kissからはじまるミステリーを改めて聴いたら尊くて。

初期のKinKi Kidsの曲が急に聴きたくなる…
そんな衝動ありませんか!?
私はあります。
この記事では、「Kissからはじまるミステリー」という曲について語ります。

1.「Kissからはじまるミステリー」とは


この曲はKinKi Kidsの「A album」(1997発売)に収録されており、シングルデビュー曲の「硝子の少年」と同時に発売されています。
シングル曲ではありませんが、1996年に堂本剛様主演の「金田一少年の事件簿」というドラマで使用されていました。
人気ドラマだったので、アルバムに収録される前から世に知れていた曲です。

ちなみにこのnoteはキンキファンが書いた文章ではありませんので、ファンの方が読むと不快な部分もあるかもしれません。悪しからず。

2.曲が素敵


ではまず、この曲のメロディーなど音の部分について、最初からさらって感想を述べたいと思います。
この曲は、かの山下達郎様が書かれております。

まずイントロ…
チャーンチャチャンチャンチャンチャンチャンチャンチャ…と衝撃的な感じの音で入っていきます。

このチャーンチャチャンチャンチャンチャン…というリズムは、この先も最後までずっとバックの音やパーカッション音やメロディーなどで基本的なパターンとして変化しながら繰り返されます。

イントロからかっこいいのですが、それだけでなく、ミステリアスというか、事件感というか…金田一感。すでに金田一感がありますよね。

衝撃的なチャーンチャチャ…の後に来る、テンテテッテッテッテッテッテッテ…っていう細かい電子音の緊張感と、その後不気味に加わってくる低音。
金田一。

その後にアイドルっぽいキラキラした音色が入ってきますね。

次に、ラップ部分に入ります。

このラップは別にカッコよくもないし上手くもないんだけど、これがあることで次のメロディーが引き立ってる気がします。
時代からして、ラップを入れることで、新しさを出したかったのかな?

てかラップ感の少ないラップだよね。
ヒップホップではないからそう感じるのかな。
ラップしてるというより、詩をリズムに合わせて読んでいる、という感じ。

で、ここまでが結構長いんだけど、ようやくメロディーがやってきます。

「不器用な天使」という入りです。
私、ここがすごい好き!!この入りが!
ここまでは、どちらかというと、かっこいいサウンドと金田一感が強かったんたけど、「不器用な天使」っていうワードとメロディーで急に切なげな雰囲気が出てきます。
その切り替わりが、すごい引き込まれちゃう!

「キスしたあと/突然つれないポーズだね」のメロディーラインの山もきれい。この辺は、ピアノバラードにしても素敵になりそうなのが頭に浮かぶ。

で、「難破船だよ」の後に、冒頭と同じ衝撃的な音が挿入され、「チャーンチャチャンチャンチャンチャン!こーいはー」というリズムで、次に繋がります。

次はこれBメロ?サビかな?
「こーいはー/ミス・テ・リー/ひーとはー/む・ね・に」
(2番以降に出てくる「君が欲しい」もサビだよね?そっちは第二のサビという感じでしょうか。)

で、このサビ(Bメロ?)部分も、面白いですよね〜。リズムというか、譜割というか。
「(大・なめらか)こーいはー/(小・はねる)ミス・テ・リー/(大・なめらか)ひーとはー/(小・はねる)む・ね・に」
っていうメリハリがかっこいいなあー。

「悲しい謎を隠して生きている」で後ろの刻んでるサウンドと歌がぴったりしてきます。これもかっこいい。

1番はこれで終わり。

2番も同じ流れで、その後にようやくサビ?第二のサビ?の「きーみが・欲・し・い」が来ます。
「こーいはーミス・テ・リー」と、
「きーみが・ほ・し・い」の部分が似てるけど違うところがすごくかっこいいですよね。

音数は同じ6個だけど、配置してる拍数と後半のはねる間隔が違う。

配置してる拍数が違うというのはつまり、「恋は」と「君が」は同じ扱いかと思いきやそうではなく、「恋は」は3拍目裏、「君が」は4拍目の中の4/4拍目?(すみません、なんと表記したらいいのかわかりません…)に配置されている、ということです。

配置は違えど、どちらも基本パターンのチャーンチャチャンチャンチャンチャン…にほぼ乗っています。

うーん、言葉に表すのが難しいんだけど、ざっくり言うと、同じようなフレーズを違う配置にしてわざわざ2回続けて出してくるのが、面白い!!!

サビ前の「チャーンチャチャンチャンチャンチャン!」を境にして、メロ部分はメロディー重視、サビ部分はリズム重視で作られていると言えるのではないでしょうか。

山下達郎様ほんと素晴らしいですよね。

あとは繰り返しが多いので、ここまでで大体メロディーをさらえました。

おわかりかと思いますが、私の文章はかっこいいとか面白いとかを連発しているだけで、それ以上の分析はございません。素人なもので。
清少納言が「いとおかし」と言ってるようなものだと思ってくださいね。

3.歌詞も素敵


次に歌詞について語ります。
この歌詞は、かの松本隆様が書いておられます。

私が感じたことは以下の通り。
①すごい金田一
②キザっぽいけど秘めたる欲求あり
 →ちょっと気持ち悪い人物像
③おじさんが若者に書いてくれた感(昭和感)

まず①について。
歌詞は金田一感がすごいですよね。

タイトルからして「ミステリー」
他に「謎」「胸のナイフを静かに抜いてくれ」「サスペンス」「覗く望遠鏡」「証拠」「尾行」なんてとこが金田一っぽいでしょうか。

でもこうやって改めて読んでみると、同じ心情や情景を表現するにも、あえて事件っぽい言葉を使うことで、金田一感と恋愛ソングを両立させてるんですね。
プロの作った歌詞って読みがいがあるなあ。

②について。
きれいな、上辺はキザっぽい表現を使いつつカッコつけてるけど、内心はひたすら「君が欲しい」という欲求に駆られてる歌なのかなと感じます。

君が欲しい以外のところは、すごくきれいな、キザな言葉を選んで描かれている。

「残酷な遊戯/女の子の心は魔女の振り子さ」なんて素敵すぎません?!
要は「女はワガママだ」とか「気分屋だ」ってことでしょう。
もうこの表現、尊敬しかない。

一方で、君への愛の表現はストレートですよね。
「君が欲しい」をひたすら繰り返すし、「世界中敵に回して愛してもいい」と言ってる。
若者らしい、危うさを感じますね。

てな感じで、金田一っぽさとキザっぽさと内心の欲求の描かれ方があいまって、ちょっと気持ち悪い人物像が浮かび上がってきます笑
「君の背中を密かに尾行した」とか笑
でも、キンキが歌ってるので気持ち悪くなりません笑

③について。
ちょっとおじさんぽい言い回しありますよね。
最初のラップの「酔っちまう前に」「溺れちまう前に」とか。
「ちまう」って笑
20年以上前だからといって、平成ですからね。
ジュリーが浮かんで来ちまうよ。
しかもラップだからね笑
時代が交錯してて面白い。
あえてなのかな?
昭和っぽさも出したかったのなあ。
そういえば、レトロ感漂う歌でもあるなあ。

あと、「時間は若さの味方だよ」とかもおじさんぽい。
若者が自分ではそんなこと言わないですからね。
松本先生がキンキに託して、若者にプレゼントしてくれた言葉ですね。

てことで、ここまで歌詞について述べてみました。

結果、すごく好きなんですこの歌詞が!!読み応え、歌い応えがあって、面白すぎ!!

ジャニーズのデビュー曲を有名人が手掛けることは多いですが、私としてはこの山下達郎・松本隆タッグが最強です。(「kissからはじまるミステリー」はデビュー曲ではないですが。ちなみに「硝子の少年」も同じタッグです。)

この曲が発売された頃、私は小学生。
山下達郎のことも松本隆のこともほとんど知らない中、録音したカセットテープで「A album」を聴いていました。
そして、大人になってから、山下達郎や松本隆という人の凄さを知るようになり、今この曲に再会しています。
それで、この曲ってこんなにカッコよかったんだ…!と感動しているわけです。

4.歌声も素敵


最後になりましたが、ボーカルについて…

…高校生の堂本剛…歌うますぎじゃね?

高校生やで…
なんだろうねこの哀愁漂う雰囲気。

声に力がこもってるところと、抜いてるところの、表現が完璧じゃね?
思うに、ものすごい表現力を備えてたんだろうね。
自分の意思による表現力というよりは、指導されたことを表現する力がすごかったんじゃないかな…完全に想像だけど…
後の彼の個性的な歌い方からすると、この当時の歌い方はハズしてない上手さですからね。

さっきも書いたけど、「不器用な天使」ね。
ここだけでも何回も聞いちゃう。
この切ない声なんなの。
剛の歌が、元々素晴らしいこのメロディーと歌詞を際立たせている!!

これで高校生とか。
そりゃジャニーさんもとんとんデビューさせるわ。
そりゃ一世風靡するわ。

「天使」の最後の「し」で抜いてる歌い方が好きすぎる。
しかし抜いてるから光一の声がそこだけ浮き上がって聞こえる現象が笑

あと、「世界中敵に回して愛してもいい」の歌い方も。めちゃくちゃぐっとくる!!!!

そしてこれYouTubeで見ると、昔の映像も流れたりするんですけど、剛の当時の見た目がかっこいい。惚れてまう。

当時ももちろんキンキはテレビで見てたんだけど、大人になってから見ると、価値がよくわかる。

尊い。デビュー当時の堂本剛、尊い…。

(…光一を褒めてなくてすみません。でも、わかるよね!?この曲聞いたら、剛の突出した歌のすごさわかるよね!?)

そんな流れで今のキンキも見たくなって、KinKi Kidsのブンブブーン!という番組を見てみた。

バラエティだから音楽の話はなかったけれども、キンキは今も素敵な二人組だった。

でも、もちろん昔と全く同じ堂本剛の歌は、リアルタイムでは聞けない。

尊いなあ。高校生の堂本剛尊いなあ。

というわけで、「Kissからはじまるミステリー」を聴いたら、尊すぎた件について書きました。

この感動について話せる相手がいなかったので、一人でもこのnoteを読んで、改めて聴いてくれる方がいれば幸せです。

長文を読んでいただき、ありがとうございました。


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