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【漫画感想文14】大人になって改めて読み、その深さを知る「のび太と鉄人兵団」

ドラえもん大長編の「のび太と鉄人兵団」は個人的に生まれて初めて購入したコミックで思い入れのある作品です。大人になって読み返すと改めて深い意味があるような気がしてます。

のび太と鉄人兵団は、宇宙からロボットの軍団が地球に侵略するのをドラえもんたちが食い止めるストーリーです。女性型ロボット「リルル」はロボット軍団の先兵として送り込まれてきます。リルルは偵察のために軍団より早く地球に降り立ちのび太たちと接触します。

リルルはのび太たちから情報を得ようとします。その最中にリルルが事故に巻き込まれて、怪我(故障)をしたところをドラえもんたちが保護します。ここでしずかちゃんが献身的な介護をしてリルルは回復します。その経験からリルルは地球人に対して複雑な感情を抱くようになります。

ロボット軍団が本格的に侵略を始めたところで、リルルはのび太たちのところから脱出して軍団に合流します。しかしそこでリルルは情報を明かさず指揮官に侵略の中止を訴えます。指揮官は激怒してリルルを処刑しようとします。リルル自身がロボットと人間の間で揺れ動くことになります。

以下はしずかちゃんとリルルが意見を衝突させ、喧嘩別れしたシーンです。

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以下はドラえもんのところから脱走し、鉄人兵団に合流してドラえもんたちの作戦を密告しようとするシーンです。のび太は密告を防ぐために止めようとしますが、のび太は撃てずにリルルに返り討ちになります。

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大人になって一連の流れを読んでいると、極端な思想に浸かっていた宗教家が異教徒に出会ったように見えてきます。それまで悪魔の使いと教えられていた異教徒も、自分達と同じ人間であると知ったかのようです。

本作は宗教対立や民族対立を表現しているように感じました(藤子先生がそう意図していたかはわかりません)。


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