脱サラ×Webライターを目指したわけ
正社員だけが、人生じゃない。
29歳、ベッドの中の僕。平日の昼下がり。休職中に横になりながら、ふと考えた。
新卒で入った大企業は、いわゆる縦型の組織。「上の命令は絶対」の中で、まさにその“上”から落ちてきた怒号(爆弾)にココロがこわれ、適応障害で休職。
でも復職後は変わらず「正社員」として働き、自分自身、そこに何の疑いも持っていなかった。「俺は、人よりストレス耐性が低いだけなんだろうな」と、サラッと受け流していただけだった。
そんな中、成長を感じられない仕事に嫌気が差し、転職。2社目に入った会社は、1社目と打って変わって実力が評価される世界だったけど、今度は“横”から槍が飛んできた。仕事ができないことを同僚からイジられる毎日にココロが消耗し、人生2回目の休職。で、ベッドの中で考えた。
正社員だけが、人生じゃない。
これまでは、辛いときにも我慢して、結果として無理が重なってバタンキュー……ということがほとんど。「我慢強い」という性格も関係していると思うけど、「会社員(正社員)だからしょうがない」「逃げは、恥」といった気持ちも強かった、ように思う。
そこそこの大学を出て、まわりの友達はみんな正社員。この先、安定して働いていくには、やっぱ正社員だよね。契約社員や派遣社員は、自分には関係ない。フリーランスとフリーターも、おそらくゴッチャにしていたような、昔の自分。
そして、2回目の休職中。実家暮らしだったこともあり、「何もしていない」と両親に思われるのがイヤで、何となく始めてみたライティングの仕事。クラウドソーシングサイトで受注した、文字単価0.5円?くらいの記事だったけど、これが楽しくて、楽しくて。
カフェで、ノートパソコンを広げ、夢中で文字を書き連ねる。しかも、お金がもらえる。調べると、Webライティングって言うらしい。Webライターって仕事も、あるらしい――。
「正社員」という、窮屈な檻の中に閉じ込められ、ぐらぐら揺れるその檻に必死でしがみついていた、かつての自分。でも一歩扉を開いたら、そこは“底”じゃなく、ただ延々と平地が続いているだけだった。
僕にとってWebライターは、そうした檻から抜け出す「鍵」になったわけだけど、その後はいわゆる自由な働き方を求め、まずは派遣社員として働きつつ、定時ですぐに上がってライティングの仕事をし、軌道に乗ってきたタイミングで派遣を週3に減らし、ちょうど1年前に独立をした。
働き方は、それぞれだし、正社員として働くことが向いてる人もいれば、フリーランスが性に合っている、という人もいる。僕はWebライターという好きな仕事に出会えたけど、仮に正社員としてライティングの仕事をするとなると、おそらくまた精神をする減らす気もしてる。
一方で、現在のフリーのWebライターとしての働き方はストレスが溜まらないので、やっぱり合っている。
違う世界を見せてくれた、Webライターという仕事。何より、「正社員で一生過ごす」という凝り固まった頭をリセットさせてくれた、という意味で、ほんとに出会えてよかった。
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