カリモク家具のSEYUN Chairを見た瞬間に、欲しいと思った。メタリックブルーの椅子だ。買うかどうか数日悩んだ。そこそこの値段はするのだが悩んだのはそこではない。インパクトが強すぎるのだ。 つまり、置くところがない。座るための椅子ではなく、インテリアとしての椅子として考えた場合、会社にも自宅にも置き場所がない。コンクリート打ちっぱなしの空間に一脚だけ置けばめちゃくちゃカッコいい。でも、そんな贅沢な空間はない。 諦めるしかない。でも、いつかそんな空間を手に入れたときは、
先日、黒毛和種の経産牛を20頭買い付けたので、ヒレをFBで案内したところ、あっという間に完売した。ヒレは一般販売したことないので、ウソやろ?と驚いた。サイズが小さいとはいえ1本売りですから驚きますよ。なぜ案内したかと言うと、おいしかったから。それだけです。そらそうでしょう、おいしくないものを案内できませんからね。 和食屋さんに行くと、季節の食材によっては頑張ったヒレを出してくることがあります。ヒレは柔らかい赤身のイメージがありますが、格付けの良いものはサシが入ります。これが
大津駅から徒歩3分というので、疑り深い僕は、ホンマかなと思い、少し早歩きでjinen(ジネン)に着いたら2分ジャストだった。でも、めちゃくちゃ分かりにくい場所にあるので、30分かかった人もいるとか。 さて、メッシタパーネエヴィーノに続き、交雑種と黒毛和種(経産牛)のリブロース食べ比べ会、第二弾はjinenで開催しました。この日も僕が用意したのは、全国どこのスーパーでもよく見かける千葉県産の交雑種です。国産牛表記の普通の牛肉です。黒毛和種に比べれば、味も香りも乏しく、本当に普
新保さんの哲学を語ってほしいと講演依頼があった。わざわざ人様の前で語るものでもないと思うが。どちらにしても付き合いの薄い方からの依頼だったのでお断りした。 僕は気取った焼肉より、大衆焼肉が好きで、セリ終わりに必ず行く焼肉屋があった。おっちゃん1人におばちゃんが3人いて、全員75歳〜83歳くらい。みんな腰が曲がっていて、それでも元気で、メニューは、アバラ、ロース、ハラミ、天肉、ホソ、レバー、センマイ、ハツ、汁、飯だけ。汁は、ホソの脂なのか天肉の脂なのか、ぷかぷか浮いている。そ
久しぶりにイルジョットで愛農ポークのブルスケッタを食べた。やっぱりおいしい。愛農ポークの出荷が止まっているときは、他の銘柄豚で作るのだが、それはそれでおいしい。だが、愛農ポークはどこか違う。味もだが佇まいというのか、品さえ感じる。こんなこと言うと他の豚はなんなんだと言われそうだが、そう言うことではない。 僕は新幹線移動が多いので、車内ではnoteを書いたり、本を読むことがほとんど。いまKindleにダウロードしたばかりの「嘘をついたのは、初めてだった」という短編小説は、朝の
僕は肉屋だが、動き方がかなり特殊だと思う。それもこれもスタッフが店を切り盛りしてくれてるからできることなのだが。とは言うものの、僕は現場からの叩き上げなので、たとえ数時間でも、肉に触れ、スタッフを指導し、言葉で伝えるようにしている。 昨日は、久しぶりに店長はじめスタッフの仕事を見る時間を作った。僕がチェックするのは、基本にブレがあるかどうかだけ。基本ができていないのに、いつのまにかアレンジが入り、もはや違う形になっていることがよくある。姿勢、包丁の使い方、筋の引き方から繊維
ジビーフ「カエ」のリュックを背負ってご満悦な草喰なかひがしの大将。この出立で山へ野草を摘みに行ってるそうで。突き抜けた人は普通じゃないと思っていたが(笑) さて、値段の付け方、意外と適当にやってませんか。って感じることがあります。1000円で仕入れたから、倍ぐらいもろとけばいいか、みたいな感じで。値付けと関係ないけど、売り上げから消費税引かずに、今日はよく売れたー、、とか。 アホみたいな話をひとつしますね。ある地方の飲食店が東京へ出店するそうなんです。その店は東京のお客さ
僕は人の名前を呼ぶのが苦手です。その前に、名前が覚えられない。苦手というのは、呼び捨てにできないということです。うちの会社でも、店長の楠本は子供の頃から知ってるので呼び捨てですが、あとの社員は「さん」か「くん」です。 スタッフ同士は、呼び捨てにしている子もいますが、僕も、、、とは思いつつ、できない。そんな感じなので、女性を呼び捨てにするなんて到底できません。でもね、たまにすーっと空気を吸うように呼び捨てにできる人がいます。 いま誰がいるかな、と思い浮かべると、L'ARCH
早稲田大学の学生たちが中心となり、食に興味がある学生たちが、「クラブ・デュ・アヴニールという団体を立ち上げた。その第一回目のイベントが11月18日に桜美林大学で開催されました。 「肉とフランス料理の基礎を学ぶ」と題して、まず最初に僕がジビーフと和牛経産の話をして、その後に高良シェフが焼き方をレクチャーするという、なんとも贅沢な会となりました。参加者のなかには、料理人もおられたので、参考になったのではないでしょうか。 翌日も講演があり、本業じゃないので少し疲れましたが、わざ
アイコンを変えました。西元祐貴さんに描いてもらいました。頑固な職人って感じで躍動感ありますね。 さて、成長しない人には共通点があります。それは「人を育てる意識のない人」です。人の成長こそ会社の成長につながるので、育てる意識の強いリーダーがいる会社は伸びます。逆に後輩を育てられない、つまり仕事を教えられない人は自分自身も成長できません。 教えるのが上手い下手ではなく、教えられないのです。こういう人は適当に教えてミスを誘発させます。成長する人は、教えながら自分も学ぶことを知っ
「かっこよくない職場から人は育たない」と思っています。だから移転前の店舗で人は育たなかった。 人を育てるというのは「環境」だと思うが、僕がいまだに(時代が変わろうが)職人気質が強いので、横について時間をかけながら丁寧に教えるということができない。ましてや口で教えるのは難しい。 ただ、幸いにも、20代で感覚の良い子たちが揃っているので、スキルを継承できる構造はできつつあるのかなと思っている。 教えて育てる教育は僕は苦手なので、強烈な個性を目の当たりにして、何かを感じてくれ
テレビの撮影でした。関西はOAされないみたい。 薬師丸ひろ子さんがナレーターのあの番組です。 牛肉料理で一番好きなのは? って聞かれると、迷わず「すき焼き」と答えます。子供の頃の思い出もすき焼きばかり。連続7日間すき焼きという日もあった。 嘘でしょう、と思われるかも知れないが、父親は肉屋の勤め人、隣に住んでる叔父さんは牛を屠(ほふ)るのが仕事、家の前は肉屋と、環境が肉肉肉なのです。そして母親があまり料理をしなかったので、もっぱら父親がすき焼きばかり作るという。 それでも
牛を育てる人をAだとすると、その人たちがいなければBから先は成立しない。魚も同じく、獲る人がいなければBから先は同じこと。 飲食店から見れば我々は業者というカテゴリーで一括りにされ、無理難題な要求をされてきた過去がある。僕が経験したのは30年ほど前だが、おそらく今もあるんじゃないかな。 メディアは『生産者(A)⇔料理人(C)』という中抜きの状態で、我々(B)の仕事がクローズアップされることはなかった。 それがこの10年くらいで少しずつ変化を感じるようになってきた。我々の
毎年11月は、全国各地で共進会や共励会(コンテストみたいなもの)が開催されます。生産者はコンテスト用に、チャンピオンを狙えそうな牛を選んで肥育します。 僕はそこに興味がないので、もっぱら共進会はスルーして、普段のセリでランクの低い牛探し。興味がないと言えば語弊があるかも知れませんが、賞レースの牛は、A5-BMS12狙いのため、枝肉で500kg以上なんです。僕は450kgまでの枝肉しか使わないので、せっかくセリに出向いても買うものなければ、時間使って行く意味ないですからね。
某氏に今年行った飲食店で印象に残った店を聞かれた。 取引先は除くという条件付きだったので、思い出しては見るものの、パッとでてこない。そもそも初めましての店に行くことがほとんどない、、あ、記憶を絞り出すと一件あった。 九州地方の辺鄙なところにある一軒家レストランで、家に招かれたような心地よさだった。自産地消は自分で作ったものを自分で消費することだが、イメージ的にはこんな感じかな。かなり遠かったけど、移動した距離以上に満足度が高かった。 あと1ヶ月ちょっとで今年も終わり。ほ
静岡のシンプルズのシグネチャーは、サスエ前田魚店から届くもち鰹です。他にも、その日に獲れた魚が提供されるので、めちゃくちゃ楽しい。そして、めちゃくちゃおいしい。そこへ肉を一品入れるわけですから、かなり悩みました。魚の邪魔をしたくないのでジビーフを選んだのですが、相性がよくなくて。その後もいくつかの肉を試したのですが、最終的に「キタノあか牛」に落ちつきました。もちろん、なにも手を加えずに納品しているわけではありません。もともと難しい肉ですから、しっかり手当てしています。おかげさ