新保吉伸/Niiho Yoshinobu

精肉店サカエヤの店主です。 飲食店や精肉店で働いてる若い人、うちのスタッフへのメッセー…

新保吉伸/Niiho Yoshinobu

精肉店サカエヤの店主です。 飲食店や精肉店で働いてる若い人、うちのスタッフへのメッセージ的な内容が多いです。経験豊富な大人には当たり前のことばかり書いてるのでつまらないと思いますが、ご一読いただければ幸いです。

最近の記事

ロジカルモードとストーリーモード

久しぶりにメッシタパーネエヴィーノへ。この日は、新潟のセトワイナリーの瀬戸さんと2人飲み。 愛農ポークやジビーフなど、たまにSNS(主にFacebook)で販売することがありまして(限定◯◯セットとか)だいたい30分もかからずに完売します。商品によっては、販売開始から3分程度で完売することも。 スタッフから、なぜそんなに速攻で完売するのか不思議がられるので、いったいどのような手法を使っているのか共有したいと思います。 Facebookの友達3050人に向けて販売するので

    • 僕の味覚がおかしいのか?

      最近、月一ないし月2で訪問している銀座のおか﨑。最初から最後まで肉肉、、、肉です。11種類+ごはんとデザートで19000円。銀座の一等地でこの価格でやってるのは凄い。すべての肉を僕が手配できればいいのですが、さすがに無理です。おか﨑さんと取引きする前からの取引先が優先だし、タンばかり、ハツばかり毎日のように揃えられないですからね。 この日は、タンとハツと天肉を送っておいたので、おいしく食べられました。「昨日と畜したばかりで、どうなんやろと思ったけど、いったい何をしたんですか

      • 年代別の働き方

        まったく映えない写真ですが、これハヤシライスなんです。テーブルに運ばれてきたとき、ぐつぐつ煮えたぎっていて、熱々をご飯にかけるのですが、世界一おいしいハヤシライスだと思います(洋食おがた) 店主の僕が言うのもなんだが、うちのスタッフは恵まれている。僕がもし、20代に戻れるなら間違いなくサカエヤを選ぶだろう。だってこんなに可能性がある肉屋は他にないでしょう。あまり言うとやらしさ満載なので適当なところでやめておきますが、働いてる子たちがいちばん強く感じていると思います。 スタ

        • モノマネ

          ようやく覆っていたテントが外されました。あと少しです。 先日伺ったとんかつ屋さんも、その前に行ったとんかつ屋さんも、どちらも人気店ですが、お二人とも他業種から転職して開業されています。そう言えば、とんかつ屋で働いていて独立した方、あまり聞いたことないですね。 後継ぎは別として、他業種の方、つまり素人からいきなりとんかつ屋はじめた人が多いように思います。 なので、とんかつ屋さんの店主に師匠がいるケースは稀で、そこがフレンチやイタリアンと違うところです。お笑いの世界でもダウ

        ロジカルモードとストーリーモード

          falo×BURUSTA

          BURUSTAの西山とは10年くらいの付き合いだが、アクアパッツァ出身だと知ったのは最近のこと。日高さんにアクアパッツァ出身で独立してる人ってどれくらいいるんですか?とお聞きしたら100名くらいかな、だって(驚) この日は代官山faloの樫村さんの提案で、西山とのコラボ会。日高さんのYouTubeカメラが入ってたのでそのうちアップされると思いますが、こういうコラボはいいですね。僕が知らない時代を垣間見れるし、もし僕が東京で生まれ育っていたら、いまごろどうなっていたのだろうと

          情報の出し方

          サカエヤオリジナルナイフは、初回300本作って1日で完売しました。再販の声も多くいただきましたが、珍しいから売れただけで、早々売れるものではないと判断して、これで終わりにするつもりでした。ところが、買われた方から追加の依頼が凄くて、もちろんナイフの性能やデザインには自信がありましたから、当然と言えば当然で驚くことでもなかったのです。僕の気持ちは変わらず作らない、だったのですが、、 ドイツで開催されたIFデザイン賞を受賞してしてしまい(言い方よくないですね)現物がないというわ

          牛肉の生食について

          数名の方から、タルタル出してる店多いですが大丈夫なんですか?!と店名と写真付きでメッセージきたりしますが、僕に言われてもねー、、保健所へ電話すれば動いてくれますよ。 たしかに、生食(ユッケやタルタル)を提供している店増えてきましたね。赤信号みんなで渡れば怖くない、みたいになってますが、季節的に食中毒も増えてきますので、そろそろ国も本腰入れて動いてほしいものです。事故が起きて規制するようでは遅すぎますからね。 生食は、飲食店側が許可をとっただけでは扱えないのですが、それさえ

          牛肉の生食について

          とんかつ

          子供の頃、とんかつを食べ食べた記憶がない。そもそも家で豚肉を食べる習慣がなかったのと、豚肉が臭かった。 昨日、先輩ととんかつ食べてて昔の豚肉は臭かったなぁ、という話題になった。僕が修行していた頃(40年前)は、賞味期限切れのハムやソーセージはいくらでもメーカーに返品できた。返品したそれらは豚の餌となり、ふたたびハムソーとなる。いまは返品もできないし、肉屋にハムソーを売るだけの力がない。スーパーで安く販売しているものを、わざわざ肉屋で買わないだろう。 昔の豚肉が臭かったのは

          久しぶりに求人募集

          サカエヤの店頭を任せている高峰は、辻調を卒業してから、フランス校で半年、フランスのレストランで半年働いた後、大阪に戻り辻調で1年勤務。その後セジールへ就職。昨年9月にセジールを閉めたので、そのままサカエヤで勤務。料理人になるよりサービスのほうが向いてると判断し、セジールではサービスを担当。サカエヤで働き出して9か月、ソムリエ試験も合格し、いまは店頭販売の責任者として頑張ってます。 うちのような小さな会社は、掃除から肉のカット、接客まで、オールラウンドプレーヤーでないと勤まり

          久しぶりに求人募集

          チカラコブ

          肉屋と料理人の考え方やアプローチは違うことがあります。肉屋でも各々哲学をもって仕事に挑んでいると思いますので、ここでは僕の考え方というふうに前置きしておきます。 例えば「牛頰肉の赤ワインソース煮込み」は、ブフ・ブルギニオンやコック・オ・ヴァンの下ごしらえと同様に、たっぷりの赤ワインとタマネギ、ニンジン、セロリなどの香味野菜と共に漬け込んでからしっかりと焼き色をつけて煮込みます。くたくたになるまで柔らかく仕上げるのですが、僕はあまり好きではありません。 そこまで柔らかくする

          評価は好みは別

          大阪アドックのすき焼き風。なかなか斬新。 日々の仕事のなかで、スタッフを見ていると、なぜ気がつかないのか?ということが山ほどあります。ゴミひとつとってもそうだし、ドアも開けっぱなしだし、肉屋は肉を切るのが仕事だが、大事なのはそれ以外のことです。 鳥の眼で物事を見ないと、目の前のことすら見えていない状況となります。キョロキョロしながでもいいので、意識しながら取り組んでください(うちのスタッフに向けて書いてます) 10年以上前から、肉の定期便をやってまして、いまで言うところ

          お取引きに関しまして

          サカエヤのHPからお取引に関する問い合わを頂戴しますが、内容によってはお返事できないことがあります。 (問い合わせ例) お名前:栄屋太郎 会社名:イタリア料理 栄屋 TEL:01234567890 E-Mail : お問い合わせ項目: お取引(飲食店様への卸販売)に関するお問い合わせ お問い合わせ内容: お取引させて頂きたいと思いまして、連絡いたしました。よろしくお願いします。 ------- あまりにも情報がなさすぎて連絡しようがありません。なにを取引希望されているの

          お取引きに関しまして

          海外で働くことについて

          手前から日本橋蛎殻町すぎたさん、徳山鮓さん、チェンチ坂本シェフ。3人とも海外で働いた経験はありません。杉田さんは鮨なので海外は関係ないとして、徳山さんも和食だし、坂本シェフはイタリアンだが、イタリアに行ったことはあるものの、働いた経験はありません。坂本シェフはいくつかな?40後半だと思いますが、同年代の料理人はフランスやイタリアで働いた人そこそこいると思います。なのに坂本シェフはなぜイタリアで働かなかったのか? 働こうと思ったこともあったらしいのですが、理由を聞いて納得しま

          海外で働くことについて

          チャンスを逃す

          滋賀の北部、余呉湖に全国から訪れる料理屋がある。余呉湖というだけでピンとくる人も多いだろう。昨夜は大雨のなか、全国各地から料理人やその関係者が集まり、徳山鮓×ラフィナージュ高良シェフのコラボ会が開催された。 雨が止み、龍のような雲が幻想的だった。 ときどき弟子入りしたいと僕のところにやってくる若者がいます。この時代に弟子入りもなにもないですが、20年前はそういう子たちも受け入れていました。 でもね、僕の元で働くのは大変ですよ。社員としてサラリーマン的に働くなら良いですが、

          教えるということ

          2014/3/5鹿児島県志布志で産まれ、何産かした後、2023/11から鹿屋で7ヶ月かい直した経産牛です。枝肉のまま枯らして21日経過したところで骨抜きして取引先へ。 気になる牛だったので食べに行くも、前菜食べ過ぎて肉食べ切れずサンドイッチにしてもらう。熟練のサービスマンのすすめ方が上手すぎて、ついつい前菜の無限ループにはまってしまった。 後輩が入ってくると先輩が教えるのはどの業種も同じだと思います。肉屋の場合、技術職なので、教え方を間違えると後々大変なことに。変な癖がつ

          教えるということ

          すき焼きの危機

          うちのスタッフの平均年齢は25歳。この子たちが40歳とか50歳になったとき、日本が世界に誇る「すき焼き文化」がなくなるかも知れないと真剣に思った。 聞けばすき焼きを食べたことがほとんどないと言う。販売前の試食も焼肉とステーキがほとんど。すき焼きの試食は毎回僕が知り合いの店に持ち込むか、わくわく定期便をとってるので自宅でやるくらい。 スライス肉をフライパンで炒めるくらいは簡単にできますが、本番さながらでやらないと中途半端で試食の意味がないと思っています。なので、すき焼きは試