新保吉伸/Niiho Yoshinobu

精肉店サカエヤの店主です。 飲食店や精肉店で働いてる若い人、うちのスタッフへのメッセー…

新保吉伸/Niiho Yoshinobu

精肉店サカエヤの店主です。 飲食店や精肉店で働いてる若い人、うちのスタッフへのメッセージ的な内容が多いです。経験豊富な大人には当たり前のことばかり書いてるのでつまらないと思いますが、ご一読いただければ幸いです。

最近の記事

佐助豚

そろそろ花山椒も終わりかな。今年は高かったですねー。和歌山の立野さんに無理を言ってご用意していただきました。毎年ありがとうございます。 佐助豚の久慈さんが、サカエヤに来られるのは2度目で、1ヶ月後なら豚の脱水庫を見てもらえたのに残念。とはいうものの、僕は一度も行けていないので、6月か7月あたりで行こうと思っています。どなたか旅は道連れ世は情けでご一緒にいかがでしょうか。 佐助豚の年間出荷頭数は9000頭なので、毎月750頭の出荷です。僕が扱っている他の銘柄豚は、多いところ

    • 気になれば行動する

      投稿の内容とはまったく関係ないが、ハンバーガーを久しく食べていない。ファースフードのハンバーガーは20年以上は食べてないかな。たまに食べたくなるけど、そういうときは知り合いのシェフに頼んで作ってもらう。僕が印象に残っているのは、パリ、ラルケストの良明(伊藤シェフ)が作ってくれたジビーフのハンバーガーと、村井さん(現在、リッツ・カールトン東京の料理長)のハンバーガー、この2つがいまも思い出しては食べたくなる。 南草津駅から京都で新幹線に乗り換えて東京へ。東京駅から2回乗り換え

      • 自己管理と在庫管理

        近江牛のタンをはじめとするラインナップ。これすべて牛の種類が違うのでます。一切れづつ4種食べられるって、かなりの贅沢だと思うのです。これができるのが、メッシタパーネエヴィーノの魅力です。 薬でもサプリメントでも、毎日決まった時間に飲み続けることができない人多いですよね。飲み忘れたり、間違えて2回も飲んだり。ちなみに僕は、このあたり完璧なんです。ルーティンにしているので歯磨きと同じです。 ところで、自己管理できない人って、仕事できない人が多いんじゃないかな。なんか抜けてるん

        • 信頼関係とリスペクト

          東京の表参道に取引先があります。亀戸から移転して一年が経ちました。これだけの情報でも、グルメな方なら店名分かるかも知れませんね。どのような経由で取引になったのか忘れましたが、プライベートでも何度かご飯を食べたり、飲みに行ったりと、仲良くさせてもらってます。仕事の話は一切しなくて、いつもなんの話しをしてるのか思い出せないほどのバカ話しばかり。それがいいんです。だから長く付き合えてるのかも。それとお互いをリスペクトしているし、信頼関係で成り立っていると思ってます。先日、知人に誘わ

          西山とブルスタ

          東京日本橋は浜町にあるブルスタ。オープンして1年と8ヶ月。僕が行くと生まれたばかりのあゆちゃんを連れて、あっこちゃんが顔を見せてくれる。西山にはもったいないくらい、良くできたお嫁さんだ。 西山との付き合いも長くなった。つい最近、アクアパッツァ出身だと知った。しかも西山からではなく日高シェフから聞いた。なんで言わなかったの?って聞いたら、働いたのは短期間だったので言っちゃダメだと思ってたと。まぁそうだけど、こういうことだけきっちりしている。 代官山に「ブルスタ」があったとき

          質問と回答

          サカエヤ+、牛歩のような進み方でいつ完成するのやら。ようやく枝庫にレールがつきました。 取引先(すき焼きのお店)の方から質問がありましたので、やりとりをまとめてみました。 ・・・ここから ◯◯(店名)で以前迄は、◯◯牛を使っており、近江牛と比べサッパリしていたのですが、滋賀、◯◯(産地)とあまり遠くない距離でなぜそこまで違いが出るのでしょうか? 新保さんが送ってくれるお肉はサシがあっても脂っこさを感じないのはなぜでしょうか? 比べては申し訳ないのですが、家でスーパー

          親から子へ

          ジビーフはいろんな縁を運んでくれる。僕がジビーフを扱うことがなければ、間違いなく知り合うことはなかっただろう人。狭い業界なので、名刺交換くらいはどこかでしていたかも知れない。でも、一緒に旅をしたり食事をしたり、お家に招かれるほどの関係はとてもじゃないが考えられない。ジビーフに感謝しかない。 父と子が一緒に働く。周りから見れば後継者がいてよろしいなぁ、と思うのだろうか。僕は修行の途中で父親に引き戻された経験がある。3年間だが父親と一緒に仕事をした。毎日一緒にいると、親子だから

          繁殖牛ひろゆり

          144ヶ月齢の繁殖牛。 宮城登米市の和牛繁殖農家、冨栄さんの牧場から4月4日に出荷され翌日にと畜され、セリにかけられました。セリなので確実に買えるとは限りません。もし、他にこの牛を気に入って競り合ってきたら、あとは値段勝負。僕は仙台の買参権を持っていないので、知人に代理でセリに参加してもらいました。 富栄さんに、出荷団体名と個体識別番号をお聞きして、代理人に買い切る(競り落とす)ように指示。あとはセリが終わるのを待つのみ。 夕方になっても連絡が来ないので、買い負けたのかと

          鶏肉

          焼き鳥は食べないですよね? ってよく聞かれますが、おいしければ焼き鳥に限らずなんでも食べますよ。 うちも鶏肉は扱っていますが、昨夜、マッキー牧元さんと東京白金のイタリアンで食事していたら、「ほうき鶏はどうしてあんなにおいしいの?」って。 理由を説明しましたが、飼育にめちゃくちゃこだわりがあるとか、誰もが知ってるような銘柄鶏じゃないけど、価格とのバランスもいいですしね。あと、僕がおいしいも思ってるかどうか。売り手として大事なことです。 ほうき鶏の他に、「平かしわ」と「愛農

          ルール

          サカエヤで扱っている豚肉は5銘柄。そのうちのひとつ「キタノポーク」のみ皮付きで入荷してきます。内臓も顔も頭も豚足も、他では手に入りにくいものまですべて。内臓なんてピカピカで輝いてます。 皮付きバラや豚足は、他所でたまに見かけますし、問屋に言えば手に入ります。しかし、出所がよく分からないのが多くて避けてきました。お客さんに聞かれて答えられないものは扱えないですしね。 東京夜市の平野シェフが、脆皮焼肉(クリスピーポークベリー〕作ってくれました。サクサクでおいしい。やっぱり皮付

          慢心と謙虚

          近所の食堂で食べたジビーフのハム。みなさん避けるバラですよ。びっくりしました。バラをハムにするなんて誰が想像できます?しかも、おいしくてヤバいです。 長く生きてると一度や二度、成功体験をしたことがあると思います。いわゆるプチ成功ですが、若いときにこれを経験すると勘違いしがちです。あまりにも度が過ぎると周りの人たちは去っていきます。 ある和食の名店から独立した若者がいました。29歳だったかな。オープンからすぐに予約困難店になり、師匠にこう言ったのです。「師匠、おかげさまで先

          20代の働き方

          先日、京都のDroit(ドロワ)にて、銀座ラフィナージュの高良シェフとのコラボ会(高良シェフ×森永シェフ)が開催されました。テーマは「ソース」ということで、同じ食材を使って各々ソースを組み立てるというもの。つまり、同じ料理を2回、ソース違いで食べるということです。 レストラン業界の重鎮や料理人が招待され、森永シェフはやや緊張気味。一方の高良シェフは堂々としたもの。僕の向かいの席は、緒方さん(洋食おがた)でほっとした。 10月に緒方さんが、修行時代の師匠とコラボ会をやるらし

          名刺

          久しぶりにイルジョットでした。まずはスペシャリテのブルスケッタから。初めましての方には、このブルスケッタが名刺代わり。 15年前に、福井の横山工芸さんへお邪魔したことがある。そのとき、横山社長に草柳大蔵氏の「日本人のお行儀」という本をご紹介いただいた。 第一章では、名刺について書かれている。 名刺の受け渡しは、剣道や柔道でいう“立ち会い”と心得るべきだ。 名刺の受け渡しという短時間の動作の中に人柄がすっかり読みとれるのである。 つまり、名刺は人格のコンパクト・ディスクであ

          熟成肉

          宮本シェフ(アンティカ ロカンダ ミヤモト)のところで食べた熊本県産の経産サーロイン、25日程度熟成させているのだが、肉の芯まで熱々で物凄く美味しかった。この熱さで提供してくれるところ、なかなかないんですよねー。 熟成肉のことは、過去に何度となく書いてきたけど、先日も料理界の大御所が熟成肉についてネガティブなことを言っていた。また、違う日に、老舗ステーキ屋のご主人(70歳くらいかな)も同じように。 おそらく年配の方ほど否定的な気がする。それと、過去に熟成肉を食べて良い経験

          サステナブル

          一晩で熟成させた肉のように仕上げる方法があって、(必要性がないから最近はやらないが)先日、antica locanda MIYAMOTOの宮本シェフが、ジビーフを僕と同じようなやり方で仕上げていたので驚いた。 この人は、肉のことしか考えてないのだろうか。パッと浮かぶようなことではないので、たくさんの経験を積んできたのだろうな。それにしても、ジビーフがおいしい。10年かけてようやく「牛肉」というカテゴリーに入れてもらえたような感じ。 僕の周りには、いつも生産者がいて、料理す

          阿蘇のあか牛草原牛

          僕があか牛を扱うきっかけは橋村さんとの出会いだった。10年くらい前に、京都で肉の研究会があって、そこで僕が講演したらしく(ほとんど記憶にない)、当時、あか牛を飼い始めたばかりの橋村さんは、この人に預けたいと思ったそう。何度かサカエヤ(前の店舗)に訪ねて来られたのは覚えているが、なぜ僕があか牛を扱うようになったのか、その当時の記憶が飛んでしまっている。 あか牛と言えば、阿蘇の草原に牛が放たれ草を食んでる姿が浮かぶと思います。でも、みなさんがレストランで出会うあか牛は、これでは

          阿蘇のあか牛草原牛