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情報の出し方

サカエヤオリジナルナイフは、初回300本作って1日で完売しました。再販の声も多くいただきましたが、珍しいから売れただけで、早々売れるものではないと判断して、これで終わりにするつもりでした。ところが、買われた方から追加の依頼が凄くて、もちろんナイフの性能やデザインには自信がありましたから、当然と言えば当然で驚くことでもなかったのです。僕の気持ちは変わらず作らない、だったのですが、、

ドイツで開催されたIFデザイン賞を受賞してしてしまい(言い方よくないですね)現物がないというわけにはいかず、再販することとなりました。今月中には出来上がると思いますので、ご興味ございましたら1本お手元に置いてください。

肉を手当てするうえで、いちばん大事なことは「おいしい」という結果です。サカエヤの牛肉は、大半が縁ある生産者のものばかりです。飼っている環境含めた背景だけではなく、生産者の家族、なんなら親戚まで繋がっていることも少なくありません。

生産者にいちばん近いところにいる僕が、人の個性や牛の個性まで料理人に伝え、情報を共有することが、おいしさにつながると思っていました。

もちろんいまもそう思っているのですが、昨晩YouTubeで牛関連の動画をいくつか観ていて、その中のひとつに、料理人が生産者の名前や牛の月齢、名号(牛の名前)、病歴まで客に伝えているのを観て、ドン引きしてしまったのです。

僕でさえドン引きするのですから、いままさに食べようとしている客の気持ちはいかなるものなのかと考えてしまいました。◯◯ちゃん(牛の名前)は肺炎をこじらせて大きくなれなかったので云々、、、

ものすごく分かるんです。知ってほしいという気持ちが溢れてますし、正体不明な肉ではなく、背景まで料理の一部だという情熱は、僕も同じです。

でも、人のふり見て考えさせられますね。もちろん知りたい方はいますし、聞きたいと言う方もいます。ただ、そう言う方ばかりではないことも知っておくべきです。

イベントならいいと思うのですが、通常営業なら、もしかしたら余計な情報なのかも知れないですし、情報がおいしさの邪魔をしていることもあるかと思うのです。

例えばA5というのは、情報であり味は関係無いのですが、「A5-最高級-おいしい」という認識が刷り込まれ、おいしくなければ私の味覚がおかしいくらい思っている人もいるかも知れません。

今日は、情報の出し方によっては、おいしさ半減というお話でした。

ありがとうございます!