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【Starlight Destiny#76】名犬ハッピー(9)

数年が経ったある日、エアメールが外国から届いた。
その手紙には、ハッピーを預かっていた私たち家族に向けた言葉が
綴られていた。
「日本に行く予定なので、近いうちにハッピーを迎えに行きたい」と
書かれていた。
普通なら喜ばしい知らせだろうが、私たち家族は複雑な気持ちだった。

それでも、ハッピーが一人で日本で耐えてきたことを思えば、私たちは快く送り出すことに決めた。しかし、母は大泣きしていた。

数日後、外国の方がハッピーを迎えにやってきた。ハッピーは喜んでいたが、私たちは笑顔を見せながら送り出すことを 誓った。

ありがとう、ハッピーと声をかけて、さよならをしようとした
その時、祖父母や曾祖父母、母と私たち兄弟4人の顔を一つ一つなめ、ワンと一声吠えた後、ハッピーは車に乗って去っていった。
家族全員でハッピーを送り出す中、涙は止まらなかった。
その光景は今でも脳裏に焼き付いている。

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