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Tree In Progress

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主に屋外で描く植物のドローイングを軸にした、「線を引く」ことから制作を再考する試み。 ドローイングを元にした銅版画も制作。 ‘23 5/6〜23柳沢画廊(埼玉県)にて個展。 同年…
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#最近の一枚

コレクターさんからの写真/忘れな草と桜のドローイング

コレクターさんからの写真/忘れな草と桜のドローイング

 以前の個展で気に入っていただけたドローイング。桜と忘れな草、全て一点ものです。額装が完了&発送し、先日コレクターさんから、ご勤務先に飾っているお写真を頂きました。(SNS掲載許可頂いています。)
 全て同じ木のフレームの浮かし額装(紙の縁まで全て見せる額装)で、作品の雰囲気に合わせ色味を少しずつ変えています。

 この縦長の桜は、京都の東寺の枝垂れ桜です。そして、これを元に銅版画を制作しました。

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「ニュートン」銅版画制作動画/エッチングの描き出し。

「ニュートン」銅版画制作動画/エッチングの描き出し。

 林檎のドローイングを元に、エッチングを制作。

作品のお問い合わせ:
あまねや工藝店
6/14(水)〜7/2(日)月曜定休。
福岡市中央区平尾1-12-2
電話092(526)0662

「樹の中で」銅版画制作動画/雁皮紙のカット、刷り〜刷り上がりチェック

「樹の中で」銅版画制作動画/雁皮紙のカット、刷り〜刷り上がりチェック

前回の続き。
雁皮紙という極薄の和紙を、インクを刷る際に一緒に刷り上げる雁皮刷りという技法。

 まず雁皮刷り用の雁皮をカットする為の型紙を作ります。伸び率などもこの型紙で調整しておくことが出来ます。
 紙やインクを変えながら色々刷りながら試していきます。
 版を作ったら後は刷るだけ、という直線的な制作ではなく、刷りの中であれこれ試し、思いついたことを再び版の方にフィードバックします。

 今月2

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エッチングとドライポイントと歩行。

エッチングとドライポイントと歩行。

 銅版画の技法には、マスキングを施した銅の板を腐食液によって溶かし凹凸を間接的に作る、いわゆるエッチングと言われるものと、銅よりも硬い金属の針や刃などで直接凹凸を作るやり方があります。その中でもドライポイントという技法は原始的でありながらとても魅力的な線の表情を得られます。
 素材と素材の出会いが強調されて立ち上がるところはTree In Progress にはぴったりの技法だと思いました。

 

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梅の木をエッチングで描く。drawとpaintの違い。

梅の木をエッチングで描く。drawとpaintの違い。

 個展を開催する方向が見えてきたので、やってきたドローイングを元に進んでみることにしました。
 自分が扱う素材の中で、四半世紀近く触ってきた銅版画という技法へドローイングの線を広げてみます。

 屋外に出て、ここ数年描いている梅の木を改めて銅版に描いてみました。一旦試しにマジックで描いてみてから腐食。
 TP.1はこの記事に。TP.とはTrial Proof(試し刷り)の意味です。

 エッチング

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屋外で線を引くこと

屋外で線を引くこと

 空き缶を育てながらこう考えた。
 どこからが空き缶で、どこからが周りの環境なのか。
 外に置いた時間経過によりその錆び方にも日々差が出ます。
 常にその輪郭は変形し続ける。境界と思っていたものは固定された不変のものでは全くない。いつか孔が空き、空き缶は空き缶でなくなるでしょう。
 世界に織り込まれていくようなそれらの流れのようなものにこそ、生命が宿っているように感じます。大地の縮小版のようです。

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