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一本の"和竿"ができるまでの長い年月とその工程の話

こんにちは!2020年に東京から埼玉県に引っ越してきて、友達とスタジオサイタマという会社をやっている加藤です。

今、「和竿・釣り」事業の一貫として和竿のオンラインストアを開設しようとしています。みなさんに和竿についてより知ってもらうために、今回は和竿ができるまでの大枠の工程について書いてみたいと思います!

前回の記事では和竿の機能性と魅力についてまとめてます。

和竿ができるまで

1本の和竿を作るには、全部で100を下らない細かな工程が必要です。また、竹が育つまで1~3年、採取してから素材として使えるまでにもう3年、そこから完成するまで1ヶ月程度の月日がかかります。

①竹の採取

和竿で使用する竹は、竿の種類とその調子によって使い分けます。
竹には硬さの異なる1年竹、2年竹、3年以上の竹があり、さらに竹の種類や産地によってその特性が異なります。全国の竹林から最上の1本を採取するために、実際に職人が現地に行って竹を選別しています。

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②竹の乾燥

採取した竹は3年以上もかけて乾燥を行います。これにより竹に含まれた水分が丁寧に取り除かれ、植物の油分だけが残ります。この油分は竹竿の特徴である強い粘りを生み出すため、素材作りにおいてとても重要です。この工程を経て初めて和竿の素材が完成します。

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③竹の選別

太さ、長さ、硬さ、美しさを見極め、何本もの竹を組み合わせて1本の和竿を作ります。例えば3本継ぎ竿の場合、穂先と2本目、3本目で異なる種類の竹を使用することで、狙い通りの感触に調整することもあります。無限にある組み合わせから最高の1本を見つけ出すことは奇跡に近い作業ですが、それをやるのが職人です。完全に調和が取れた和竿の場合、最初から同じ竹だったかのような錯覚をもたらします。

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④和竿の製作

ようやく和竿製作のスタートラインに立ちました。ここから1ヶ月程度の期間をかけて竹を丁寧に加工し、強度を補強するための絹糸巻きや漆塗装を行います。この際にもっとも難しい「火入れ」という作業をします。これにより竹の強度が大幅に高まり、強くしなやかな和竿に進化します。また、実用性をあげるための漆塗装にも様々な塗装方法があり、それによって息を呑むような美しさが生まれます。

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今回記事に登場する職人さんは、埼玉県川口和竿の伝統工芸士であり、ぼくたちの釣り事業を監修してくださっている山野正幸さんです。

山野さんについても次回以降、その出会いからご紹介できればと思っています。

以上です!

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