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桜の誓い

「大地ってさ、将来とか志望校とかどうすんの?」
夜桜の下、中学2年生になったばかりの大地と悠斗。
桜の花は散り始め、緑とピンクの華やかな色合いが、
青々しい葉っぱの香りと共に二人を包む。

大地は考え込むようにしてから、静かに口を開いた。
「俺さ、工業高校に行きたいんだ。ロボットを学びたいんだよね。」

悠斗は驚いた。いつもは騒がしい大地が、
こんなにも真剣に未来を語るなんて。
「え、マジか?家から遠いじゃん」と悠斗。
でも、大地の目は夢に満ちていた。

悠斗は自分の中で考え込む。
彼はいつも控えめで、将来の夢など持っていなかった。
ただ今を楽しむことだけを考えていた。
しかし、大地の夢に触れ、心が動かされる。

「大地、俺も工業高校に行くよ」と悠斗は言った。
簡単に決めたわけではなく、大地となら見える未来があると確信したから。

大地は驚いた顔をした。「え、マジで?お前、そんなことでいいのかよ?」
悠斗は微笑んで答えた。「それでいいんだ、それがいいんだ。」

街灯のない桜の下、月明かりが二人の未来を照らす。
あっけなく決まった夢だけど、これは必然のように感じた。

〇と△シリーズ

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今日は
夜桜 × 塾


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