赤いクレヨン
赤いクレヨンが一番になくなる
感情がぐちゃぐちゃになった日は
ぐちゃぐちゃの心を絵にする
右から左へただ線を引くだけの作業は
私の心を落ち着かせるスイッチでもある
嫌なことがあったり、キツイこと言われたり
回りの気遣いでさえ、嫌味に捉えてしまう時だって
そんな自分にため息をついた後は
こんな世界におう吐したい気分になる
だから気持ちを紙に殴り書きする
赤いクレヨンは私の血かもしれない
それを見れば傷つけなくて済む気がして
そんな私を2歳の姪っ子が
「いちご、いちご♪」って笑ってた
鼻水垂らしながら、苺って笑う姪っ子を
私はただ見つめた
彼女には苺に見えている。私は血だと思って書いていた。
こんなに物の見え方は違うものなのかと初めて知った世界に
戸惑いは隠せないし、混乱はするし、感情が解んなくなって
私はただ「いちごだよねー」って答えてた
私は体に苺を流している
体中から苺を出している
そう思ったら、なんだか世界は悪くないなと思えてきて不思議だった。
苺に見えたのか、苺の赤だといいたかったのか、意思疎通は出来なかったけど、確実に私は世界を変えられた。
たった2歳の小さき女の子に、私の世界を変えられた
その事実が嬉しくて、新しい紙に苺を描いた
喜ぶ姪っ子をみて、苺があふれ出した。
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