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血と蒼

身を切ってその血で銭を洗い、その隙間を埋めるように人を求める若者よ。
その蒼さが今でも抜けずこんな大人になってしまったよ。
何者にもなれなかった老いていく自分を鏡で見ながら、毎夜のごとく昔話を薬に止血する。
失ったものを幾つ数えても、数え唄にもならぬ。
羅列をしながらうわ言のように繰り返す。

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