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清濁を併せ呑む。

◾️ベトナムのヘアカット。
・久しぶりに髪の毛を切りにローカルの床屋へ行ってきた。市場価格は凡そ500円でシャンプーとヘアカットが含まれる。その他、セットオプションがあり、シャンプー、ヘアカット、耳かき、髭剃り、顔マッサージ等を含めて1,000円程でしっかりサービスを提供してくれるのだ。
・仕事帰りやスポーツで疲れた時等、シャンプーと顔マッサージ(合計250円)だけでも気持ちが落ち着き何よりも気持ち良いのでたまに利用するが、お店によっては肩等を軽くマッサージしてくれて、これが下手なマッサージ屋にいくよりもかなり心地よくリラックスできるのだ。
・ちなみにベトナムにも日系美容院、床屋はあるが日本と変わらない値段か多少安いくらいで私は利用した事はないが、日本語で自分のリクエストを伝えられるのである程度需要があるのだ。

◾️『野外床屋』に挑戦。
・ローカルは当然日本語は伝わらないが、お気に入りのヘアスタイル写真をスマホに保存してリクエストすれば良い。また、「短くして欲しい」、「横だけ切って欲しい」等単語とボディランゲージで乗り切れるものだ、と安心して眠りにつき起きると、全然伝え切れていなかった事もあったが、いずれは伸びてくれるのだ。
・ベトナムに暮らし始めた当初、とにかく日本にない景色は面白く楽しく積極的に様々な経験を求めて色んな場所へ嬉々として飛び込んでいった。そのひとつに『屋外床屋』があり、道沿いの木にミラーを設置し、その目の前に椅子を置いたら完成だ。
・「面白い、試してみよう」ということで週末にトライしたが、しっかりした技術で『屋内床屋?』との違いはただ外で髪を切っている、という事だけだ。月曜日出社したらベトナム人女性に「あっ髪の毛を切りましたね」と気づいてくれて、私は屋外で切った事、値段等伝えた。

◾️あらゆるトライから見え始める景色。
・すると彼女は「それ倍ぐらい取られてますネ高いですよ」と言う。今ではあらゆるモノの市場価格はカラダに染み付いているが、当時はその感覚がまだなく私が支払った値段250円、普通は100〜150円くらいだった。
・それでも良い歳なのにドキドキしながら「この歳にして初体験」と一人ぶつぶつ言って切ってもらったシーンは今でも色濃く私の記憶に残っている。髪の毛を切るにしても、一流のサロン、ローカル、屋外床屋等様々なサービスを経験して初めてヘアカット市場の全体像等を垣間見る事が出来るだろう。
・珈琲を例にとっても、自販機の缶、五つ星ラウンジ、専門店、イタリアのバール、チェーン店、世界、日本、ベトナム等様々な珈琲を経験する事で「ようやく珈琲を理解する」、私はそう物事を捉えられるよう努めているし、あらゆる珈琲を試さず「専門店の珈琲が一番好き」と言い切る前に機会があれば普段飲んだ事ない珈琲に挑戦してみるのも面白いしより人生が豊かになると私は考えている。そして、「私はこのコーヒーがやっぱり一番好き」、と辿り着けば良い。
・近年は健康に気を使いブラックを飲むが、実は私の一番好きなコーヒーはインスタント珈琲にザラメか三温糖を甘くならない程度に入れる。これらの砂糖は製法の過程で茶色くなったカラメル色素、これがカラメルの風味となり、コクと深みを増しどんな珈琲よりも美味しく私は好きなのだ。

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